おはようございます!
今日はあいにくの雨。関東地方は荒れ模様のようですが、福井市は風が少々強いくらいですかね。
来週13日(土)は、ふくい春まつりのメインイベント越前時代行列があります。桜もそろそろ満開を迎えるところが出てきて、ちょうどお祭りに間に合いそうですね。楽しみです。
先日、以前から交流のあったダイニングレストランの方からガレットをお店のメニューとして取り入れたいということでご来社いただいたのですが、どうもうまくいかないというご連絡をいただき、試作を拝見するために訪問してきました。どこのお店かは改めてご紹介するとして、今回はガレットを焼く難しさというものを痛感したというお話をしたいと思います。
今まで自分たちは福井県産石臼挽きそば粉屋として「打ちやすいそば粉」、「粗挽きそば粉」のように生そばを打つためのそば粉、いわゆるそば店や製麺屋さんに使っていただくためのそば粉を提案してきました。なので、そば打ちで「上手くいかない」、「どうしても切れる」、「どこに原因があるのかわからない」といったお悩みにはある程度の知識や経験の中で、口頭でもアドバイスをすることが出来ました。
ところが、ガレットに関しては経験が浅く、生地づくりから焼き上げまでの工程を自身ではやったことはあっても、プロの仕事を見た経験がまだまだ少ないので、「ガレットが上手く焼けない・・」というお悩みに正確にお答えすることが出来なかったのです。そこで、実際に現場を拝見させていただくことになりました。問題の焼き上がり具合はこんな感じです。
生地を流しいれて、すぐさまトンボでスナップを利かせて円形のクレープ状にしてくのですが、トンボで円形にする段階で生地が部分的に固まってしまってきれいなガレットに焼き上がらないのです。生地は特別なことはせず基本的なレシピで作られていて、クレープパンの温度は低めに設定されています。トンボもガレット用。これまでに生地の粘度を緩くしたり、鉄板の温度を上げたり、油以外にバターを使ったり、そば粉の他に小麦粉を加えてみたりと、試行錯誤を重ねても焼きが上手くいかない。
こちらで使っているガレットのそば粉は、焼いた後でもそばの香ばしさがしっかりと残るように【越前】丸挽きそば粉(全粒粉)をベースに改良したオリジナルの粉で、最初、上手くいかない理由はそば粉自体に問題があるのかと思っていたのですが、他にお取引いただいているガレット店では同様のそば粉をお使いいただいていてもパリパリモチモチの美味しいガレットを焼かれているのを見ているので、なぜそうなるのかという問題点が見つからない状態でしたが・・
トンボの大きさと重さに気がついた時に解決の糸口が見えました。
トンボと一口に言っても、木の材質・サイズなどによって重さが異なります。今回使用していたトンボは今まで僕が見てきたガレット屋さんが使っているモノより一回り大きくて重いもの。
粘度のある生地は抵抗があるのでトンボが多少重くないと薄くのびません。でも、緩い場合にトンボが重いと生地を押さえつけて塞き止めるような感じになってしまうので生地が流れて行かずに上の写真のようになってしまったわけです。
そこで、ちょっとトンボを浮かすイメージで回転させてみたところ、生地がスーッと広がりガレットらしい仕上がりになったんです。火加減や生地の調整は必要ですが、これから経験値を高めれば美味しいガレットが期待できるでしょう。
最近、ガレットの専門店が急増しているのは、オシャレだし、ヘルシーで女性にはぴったりでフランスの雰囲気が味わえるなど、外見的なところでみていたのですが、今回の試作で感じたのは「ガレットはプロの仕事だ」ということ。
どういうガレットを焼くか(パリパリ・モチモチ・サクサク)によって、そば粉選び(産地、挽き方、メーカー、性質)から、生地の粘度、鉄板の温度、トンボの大きさ・重さ、焼き上げる時間などを考える必要があって、しかも、手早く焼く技術も求められる。
見ていると簡単そうだけど、実際にやってみると焼くどころか生地を円形に広げることすらままならない。それで、あっという間に焼け焦げてしまう。パリッとサクサクに仕上げるには熟練の技と経験が必要不可欠なんだなと今回もいい勉強をさせていただきました。
ありがとうございます!
[4月3日(水)]
玄そば産地:福井県大野市産(完熟そば)、永平寺町産(完熟そば)
天気:晴れ
石臼工場内室温:12℃
石臼工場内湿度:56%
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福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝
挽きたて越前そば粉の通販やお取り寄せは、オンラインショップの末吉の越前そば粉をご利用ください。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生。
■越前そば粉屋おかみのブログは、石臼で挽く越前蕎麦が大好きなおかみ。
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