おはようございます!
昨日は福井県産の春播き夏そば(新そば)の試食会が福井駅前越前そばの福そばでありました。
春播き夏そばの栽培は福井県が3ヶ年計画で試験栽培しており、今年で2回目になります。
昨年に引き続き今年は3品種の栽培を行いましたが、栽培中の天候不順や大雨の影響を受けたため収穫量は思ったほどにはならなかったそうです。でも、昨年の問題点を踏まえて栽培してきたこともあって、前回より作柄は良かったというお話でした。
早速、試食ということで、そば生産者、福井県の担当者、そば店主、製粉業者など、そばに関わる方々は今年の夏そばを評価していきます。まずは、「春のいぶき」という九州地方で栽培されている夏そばの品種です。
確かに昨年よりはずっとそばの香りが立って、甘みもほのかに感じますが、旨みが今一つといった感じで、じゃりじゃりした食感が舌に残るのも気になりました。
次に「なつみ」という品種。
熊本県や新潟県では食味や製麺性の良い夏そばとして利用が予定されている品種です。
香りは春のいぶきに比べると弱めでしたが、そばの旨みとモチモチした食感が良いので、噛んで食べるならこちらの方が美味しい気がしました。ただ、新そばとして香りを楽しむなら春のいぶきでしょうか。
ちょっとブレイクタイム。
夏そばで作った水ようかんで口をさっぱりさせます。
水ようかんは福井では冬場に食べられる甘味の一つなんですが、そこに夏そばを茹でたそば湯を加えたものだそうです。材料は、そば湯、寒天、黒砂糖、粗挽きのそば粉。ほのかな甘みとそば湯の旨みがホッとさせます。
さて、最後は夏そば用のキタワセです。
今回、試食した中では一番、美味しく、香り、旨み、食感、すべて他の品種より良く、さすが北海道は夏にそばを栽培している土地だけあってしっかりした味がありました。
今回は3品種を試食したわけですが、夏そばは秋そばよりも栽培が大変で、その割に収穫量が悪く、味も現段階では決していいわけではない。新そばの夏そばよりも昨年産の秋そばの方が味も香りも良いといった意見もあり、新蕎麦だけあって作業性は良いが、実際に夏そばを福井県内のお蕎麦屋さんで使用するにはまだまだ課題が残ります。
栽培中の天候に左右されることが多いですが、昨年に比べるといろんな点で良くなったという印象でした。
関東や九州では夏そばの栽培がすでに行われておりますが、福井で育った夏そばも仲間に加わるように僕たちも協力していきたいと思います。
最後に、今回は一般の方の試食会も開かれ、大勢の方にご試食いただきまして本当にありがとうございました。
私たち夏そば栽培の関係者の一員として心より御礼申し上げます。
アンケートにもお答えいただいて、県民の皆様が福井のそばに関して非常に高い関心を持っているということを改めて認識しました。
食味評価では、7割近くの方が「夏そばは美味しい」との評価をいただきました。
また、同じアンケートで聞いた、福井県産そばの新しい食べ方では、梅シソ風味、地元食材を盛り込んだ蕎麦、今流行の塩こうじを使った蕎麦、ペペロンチーノ風、ネバネバ系の夏そばにぴったりの蕎麦、流しそうめんならぬ流し蕎麦、出汁をジュレ状に固めて蕎麦にぶっかける見た目にも涼しげな蕎麦など、実にユニークな発想で今後、色々なお店で提供されることが期待できるんじゃないかと思っています。
暑い季節に、キリッと冷えた採れたての福井県産春播き夏そばが食べられる日はそう遠くないかもしれません。
夏に新そばが食べられる感動をもっと多くの方に感じてもらいたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
[7月26日(木)]
玄そば産地:福井県大野市産、丸岡町産、永平寺町産(完熟品)
天気:晴れ
石臼工場内室温:23℃
石臼工場内湿度:68%
———————————-
福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝
挽きたて越前そば粉の通販やお取り寄せは、オンラインショップの末吉の越前そば粉をご利用ください。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生。
■越前そば粉屋おかみのブログは、石臼で挽く越前蕎麦が大好きなおかみ。
※このブログ内の文章や画像を弊社の了承なく複製、使用することを禁じます。