福井在来種の播種直後に起こる湿害を防ぐ対策として、小畦(こうね)立て技術を用いた秋そば播種が始まりました。

いよいよ福井の秋そばも播種時期を迎え、県内そば産地では7月下旬より福井在来種の播種はが始まっています。炎天下の中で畑を耕して種を播いていく作業は、機械を利用するといっても農家さんにとって過酷な環境での作業になるため、体調管理には注意して進めていただきたいと思います。

福井在来種の播種直後に起こる湿害を防ぐ対策として、小畦(こうね)立て技術を用いた秋そば播種が始まりました。
そんな中、福井はこのところ晴れ続きで雨がありません。播種しても土中の水分だけでは発芽まで至らない圃場もすでにいくつか出てきており、土が湿る程度の弱い雨が欲しいところです。ソバの天敵である台風は連発してありえない動き方をしていますから、まとまった雨が降る前に一定の高さまで育ってもらいたい気持ちです。

福井県は県全域で在来種のソバを作付する全国的に見ても特色あるそば作りを行っている在来種王国として認知されつつあります。しかし、福井のソバは転作作物として水田での作付が多いことから湿害を受けやすく、収量が不安定であることが長年の課題です。そこで福井県農業試験場が、特に被害を受けやすい播種直後の湿害を回避軽減するための技術として「ソバ小畦立て播種技術」というものを開発しました。

ソバ小畦(こうね)立て播種とは・・

種子を地下に埋めず、地表面に並べておいて種子の両側から土を切り盛りして、覆土しながら排水溝と畦を同時に成形します。通常より種子を高い位置に播種できること、ならびに種子の周囲に排水溝ができることから種子が長時間水没するリスクを軽減することができるというものです。

播種直後の湿害を回避軽減するため、小畦(こうね)立て技術を用いた福井在来種の秋そば播種が始まりました。

▼写真上が通常の播種、写真下が小畦立て播種
通常の播種は等間隔で水はけを良くするための溝切りを行い、筋蒔きでソバを播種していきます。小畦立て播種は細かい盛土によって水はけのための溝ができています。

播種直後の湿害を回避軽減するため、小畦(こうね)立て技術を用いた福井在来種の秋そば播種が始まりました。

そもそも湿害はどうして起きるのか・・

通常、ソバの播種は播き溝を切って種子を落とし、土をかけて埋めるという工程で行われます。しかし、種子の周囲に水が溜まるような強い雨が降ると湿害が発生し発芽不良を起こします。また、種子が完全水没するような状況になれば発芽自体しなくなり、その後、水が引いたとしても湿害に遭ったソバは発芽しません。

小畦立て播種によって期待できる効果

小畦立て播種によって発芽後の根元の湿度が低下するほか、根の周囲の通気性が良くなる為、立ち枯れのリスクが抑えられます。また、圃場全体の生育が揃うので、雑草の発生を抑制できます。
もともと終了水準が高い条件では収量性に大きな違いは現れませんが、排水性の悪い圃場など収量水準が低い条件では、小畦立て播種の方が多収となります。これは、小畦立て播種により出芽・苗立ちが安定することに加え、株の生育が良好となるため、花房の着生が少なくなる条件でも着粒が安定するためだと考えられます。

昨年は過去に例を見ないほどの大凶作だった福井在来種。
今年は豊作になってほしいなんて贅沢は言わないので、せめて例年通りに採れてほしいと願うばかりです。

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ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧

ロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)視察の後半は、フランス・ブルターニュで昔から栽培されている在来種と福井の在来種を見比べながら栽培から製粉、苦労話について情報交換させていただいたことと、ロンシン製粉所を始めとするフランス国内で昔から使用されていた石臼について紹介していきます。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧▲ロンシン製粉所Jean-julien Genest(ジャン=ジュリアン ジェネス)社長

テーブルには、ブルターニュ地方で昔から栽培されている在来品種「ラ・アルプ種」と「ジタ種」、そして「福井在来種」を並べて日仏そばサミットを始めたのですが、時間にして2時間は超えているでしょう。専門家同士の話し合いはとても熱く、止まりませんでした。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
まず「ラ・アルプ種」は在来というだけあって2.8mm~3.2mmくらいの小粒が多く、粒が膨れていて皮の色がグレーがかった濃茶色。容積重があるからズシッと重みがあって福井在来にとても似ています。数粒食べてみるとナッツに似た香ばしさとほんのりとした苦み。これは日本と違って乾燥歩合が高く、含水率を4%近くまで下げているからであって、日本と同じように14%前後で低温乾燥させて石臼でじっくり製粉すれば、風味豊かで味の濃い蕎麦が味わえるのではないかと思いました。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
一方の「ジタ種」は全体的に4.5mm以上の大粒が多く、歩留りが良いのが特徴だそうです。皮の色は濃茶色で日本のキタワセにそっくり。そのまま食べてみると「ラ・アルプ」よりも味・香りともにさっぱりしていて最後に香ばしさが舌に残ります。

フランスではソバは基本的にガレットに使用され、パリ市内のスーパーでも小麦粉と同じように陳列されているほど、フランス国民の食文化として浸透しています。そのため焼いた時に香ばし香りが立ち、長期保存にも耐性を持たせるために原料の段階で含水率を10%以下、そば粉の製品になった時点で4%以下にしているそうです。なので、玄そばを食べ比べても日本人の感覚で言うところのそばの香りとは違います。逆にジャン社長からしてみれば、おそらく福井の在来種の味わいや香りには違和感があったと思います。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
ラ・アルプ種を原料に機械製粉(ロール製粉)したそば粉。左から皮粉、内層粉、外層粉。
日本のように更級そばや田舎そばがあったり、打ち粉を取るという事自体がないので、1番粉~5番粉、末粉というように細かい挽き分けというのはせず、大まかに3タイプの粉を連続して製粉し、
顧客が指定するそば粉にブレンドするそうです。

100年近く前までは実際に使用していたという石臼。
日本の石臼とは大きさも石材も目の立て方も全く違います。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
石自体は気泡が多くみられ硬質で、透明な結晶体もかなり含まれていました。風化して切り目がだいぶ飛んでいますが、内側と外側で目の角度が異なっています。おそらく、そこそこ早い回転数で石臼を回して内側でソバの実を挽き割り状に、外側で一気に粉砕していくのでしょう。この石臼を見る限り、日本のように製麺効率を考えてそば粉に粘りを引きだすとか、じっくり細かく粉砕するということは関係なく、あくまで「穀物を粉にする」という使い方だと思います。当然、この臼では1回や2回通しても完全には挽ききれないので、粉になるまで連続して通して行ったのではないかと想像します。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
どれくらい使用され続けてきたかは分かりませんが、石臼の厚みは20センチ弱。重さは下臼だけで300㎏近くあるでしょう。こんな石臼が回ってる光景ってどんなんでしょうね。考えるだけでワクワクしますし、どんな摩擦音が響いていたのか妄想は止まりません。
フランス国内に存在する製粉工場はほとんどが機械製粉で石臼製粉を守っているところはわずかしかないそうです。しかし、機会があればぜひ見てみたいものです。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧
昔は工場横にあるこの川で水車を回し、動力を得て石臼を回していたそうです。なのでフランスの製粉工場はこういった川沿いにあることが多いそうです。弊社も創業当時は工場前の水路で水車を回していたので、国は違えど同じようなことをやってきたんだなーと感慨深くなりました。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<後編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑧

それにしても2月のブルターニュは寒いです。
雪がないので暖かそうに見えるかもしれませんが、気温は日本よりずっと低くて手が悴みます。でもこの環境によってブルターニュの在来そばが育まれ、この場所で製粉されるからこそ本場フランスのガレットがあるだと思うと、地球の裏側からブルターニュにやってきて良かったなと思いました。

▼弊社ホームページにて詳しくご紹介しております。
その①:【玄そば生産農家紹介】Minoterie de Roncin (ロンシン製粉所)を訪ねて (フランス・ブルターニュ)

その②:【玄そば生産農家紹介】Minoterie de Roncin (ロンシン製粉所)を訪ねて (フランス・ブルターニュ)


このブログでは、福井のそば粉屋として専門的な分野から、プロの話や技術、製法、栽培に関してなどをご紹介していきます。ガレット店の紹介や文化、観光に関しては以下のブログをご覧ください。
本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

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越前市にある自家製粉くらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。

越前市にある、くらそば幸道さんで行われたブラジリアンナイトにお誘いいただきました。美味しいお蕎麦を楽しみ、ブラジリアンミュージックを愉しむという素晴らしい企画。

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。
会場は満席で厨房は大忙し。知らない人ばかりかと思いきや、お知り合いの方々が結構いました。まずはお蕎麦でお腹を満たす。

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。
おろし蕎麦に厚揚げの炊き合わせ。
昨年の福井はソバが凶作で作柄も例年に比べるとやや劣るところが多い中、くらそば幸道さんのお蕎麦は、まず食べる前からソバの穀物香が鼻に届きます。

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。
「これは出汁要らないやつだ・・」と思いつつ、1本、また1本とそのままお蕎麦を口に運び、合間に出汁をちょっと口に含む。ムチムチッとした歯ごたえと最後はプツッと切れる歯切れ感が実に心地いい。
挽きたてのそば粉をなるべく低加水で水回しし、十分に水が回っていないとこのモチモチ弾力は出てこない。また、沸騰した釜で一気に茹で上げるからこのデンプンの甘さと歯切れの良さが生まれる。すぐにのびてしまうから早く食べたいけど、一気に食べるにはもったいないと思わせるお蕎麦でした。

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。
そばプリン。
そば茶を濃く煮出して作ったプリンにそば茶がかけてあります。
トロトロとカリカリの対局の食感が楽しいですね。

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。

食事が終わるころ、いよいよブラジリアンミュージックの始まり。
僕の席はステージの正面からやや後ろ寄りだったのでどのように演奏しているのか、どんな楽器を使っているのか丸見えで、音楽をやっている人にとっては最高の場所なんでしょうけど、僕は全く楽器やらないのでひたすら手や指の動きを見ていたんですが、プロの方ってすごいですね。どうやればあんなクニャクニャ指が動くのかなーと(笑)

越前市のくらそば幸道(こうどう)で行われたブラジリアンナイトは、音楽をソバで感じる貴重な経験でした。
お腹も心も楽しませていただきました。
美味しかったです。

[くらそば 幸道]
〒9150091 越前市高木町36-7-8
TEL:0778-24-0777
営業時間:11:00~14:30/17:00~20:30
定休日:第3火曜日、毎週月曜日

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ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦

レンヌ駅から車で1時間ほどのところにあるロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)は、八方をそば畑に囲まれた大自然の中にあります。ブルターニュ原産の在来品種(ル・アルプ種)の他に(ジータ種)を製粉する工場です。

視察に行ったのは2月なので畑には何もないですが、季節が来ると一面がそば畑になるそうです。この平地に広がる真っ白なじゅうたんは素晴らしく綺麗なんでしょうね。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
フランスの製粉工場は、日本と同じように昔は石臼製粉がほとんどだったらしく、水車から動力をえる為に工場は川沿いに建っています。ロンシン製粉所も同じく、大昔はイヴェル川から動力を得ていたそうで、水車や当時の石臼などその名残が随所にありました。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
ロンシン製粉所では、一つの機械でそば粉と小麦粉を交互に製粉しており、そば粉は主にブルターニュ産の在来を使って取引先の要望に合わせて外国産をブレンドしているそうです。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
工場見学に関して僕たちは言わば外国人ですし、ちょっと閉鎖的な感じなのかな・・とドキドキしていたのですが、クレープリー・ラ・ビオレットの会長さんのお力添えのおかげで本当に急なお願いにも快くご対応いただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦

原料の切込み。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
ジャン社長自らフランス産玄そばの栽培や品種、乾燥調整などの説明をしてくださいました。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
20代の頃、スコットランドへ蒸留所巡りをしたことがあるのですが、ウイスキーの原料である麦芽を狙って蒸留所内に寄りつくネズミや害虫を駆除する目的でモルトキャットという番犬ならぬ番猫が飼われていたのですが、これはそのフランス版サラザンドッグでしょうか(笑)
工場の敷地内に2.3匹ほど放し飼いにされているのを確認したのですが、すごくゆるくて人懐っこい。僕の手をたっぷりのよだれで舐めてくるので後が大変でした。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
製粉機械はドイツ製だそうです。
形は違えど、一通りの工程や機械類に大きな違いは見られません。昔の機械を今なお大切に使っているように感じました。日本だと20年~30年周期でその時代に合わせた最新設備を導入し、製粉コストや製粉精度を高めていきますが、フランスでは製粉に関しては要は細かく粉砕できればいいという感じなのでしょう。日本のように製麺性を良くするとか、製造技術を高めるような必要がそんなにないのかもしれません。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦▲石抜き
▼粒揃え

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
▼ロール製粉機

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
日本ではロール製粉の場合、脱皮して製粉するのが一般的ですが、ブルターニュでは玄そばを皮付きのままロール製粉します。そのため、当然ながら皮に付着する農薬や化学肥料は不使用です。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
ロール製粉機を通していくほどに皮も実も細かく粉砕されていきます。
皮は最後まで細かくなりにくいので、最終的に皮だけを集めて再度、ロール製粉機に通して、後ですべての粉をブレンドするそうです。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
製粉しブレンドされたそば粉は自動計量されて製袋します。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦
製袋したそば粉は商品ごとに保管し、この状態で3ヵ月~半年ほど熟成させて出荷するそうです。この状態を「熟成」と言っていいのかどうかは置いといて、とにかく寝かすことによってそば粉の含水率が下がり、粉と水が馴染み易くなるんだそうです。日本的感覚だと、そんなに放っておいたらソバの香りも品質も悪くなってしまうと思いますが、ガレットに使用するためには必要な工程のようです。

ブルターニュ産そば粉を製造するロンシン製粉所(Minoterie de Roncin)<前編>│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑦

ロンシン製粉所の製造ラインを拝見した後、場所を移してブルターニュと福井のソバ栽培や品種について話し合いました。その様子は次回お伝えしますが、ジャン社長からお聞きしたすべてが新鮮と驚きに満ちた経験になりました。

▼弊社ホームページにて詳しくご紹介しております。
その①:【玄そば生産農家紹介】Minoterie de Roncin (ロンシン製粉所)を訪ねて (フランス・ブルターニュ)

その②:【玄そば生産農家紹介】Minoterie de Roncin (ロンシン製粉所)を訪ねて (フランス・ブルターニュ)

[ロンシン製粉所 (Sarl Minoterie de Roncin)]
Rue Moulin Roncin, 56800 Ploërmel, France
+33 2 97 74 01 37


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本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

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フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥

初めてのフランスで初めてのブルターニュにやって来て、僕はブルターニュのガレット文化の奥深さとブルターニュに住む人々の食文化に驚きを隠せませんでした。というのも、ブルターニュの玄関口レンヌからレンタカーに乗り換え、サン=マロへ向かう途中の大型スーパーに立ち寄った際に衝撃の光景を目の当たりにしたのです。

▼ブルターニュの大型スーパー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼食品売り場
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
まず、いきなり驚かされたのが、入り口入ってすぐのコーナーにサンドイッチやデザートパンに紛れて三角のおにぎり型に包まれたガレットが売られているコーナーがあったことです。注文すると紙に包まれた商品を手渡しでもらえてイートインコーナーで食べることができます。

▼テイクアウト専門のワンコーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
次にメーカーの異なるガレット生地だけの商品や具材が包んであって温めて食べる商品など、ガレットだけを取り扱うコーナーがしっかりと設けられています。

▼ガレットの生地だけを取り揃えるコーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼ブルターニュ産そば粉を使用したガレット生地
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥日本ではそば粉や生そばが産地表記されてスーパーで販売されていても第3者機関などが中身まで深く調査することがないので、どうしても疑念が浮かんでしまいます。しかしフランスを始めヨーロッパ諸国はトレーサビリティに関して非常に厳しく管理されていますし、ましてBioになれば行政や組合などさらに厳しい審査機関によって管理されています。また製粉所に関しても社長や会社の意図で製造を行うことはできないようで、クライアントや管理機関の指示通りに決められた量の製品を製造するのだそうです。

▼BIO認定のブルターニュ産そば粉を使用したガレット生地
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼電子レンジやフライパンで温めるだけの具材が包まれたお手軽ガレット
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥▲左:ソーセージガレット/右(2種類):ジャガイモとリンゴのガレット、ベーコンと玉ねぎのガレット

▼左:エメンタールチーズとハムのガレット/右:ソーセージガレットと塩キャラメルクレープのセットフランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
そば粉、生地だけ、加熱前のもの、今すぐ食べるものなど、TPOに合わせて色々なガレットが手に入るブルターニュでは、毎日何かしらのガレットを食べると言う人も珍しくないようで、ガレットがあまりにも身近で人々の生活にグッと密着しているような気がしました。

▼最新のガレット&クレープ焼き器(流れ作業のようにガレットが出てくるそうです)
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
粉類コーナーも充実。
そば粉だけでもメーカーの異なる製品が10種類近くあり、小麦粉も同じくメーカーの違うものが20種類以上あって、大型とはいえ地元密着のスーパーでこれだけの品ぞろえがあるってすごいなぁーと驚きの連続でしたが、よく考えてみれば日本で言うところの産地や品種ごとに並べられたお米みたいなものですから、パン文化の国としては当たり前といえば当たり前ですね(笑)

▼粉類(Farine)コーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
そば粉に記載してある「Farine de blé noir de Bretagne」という文字列は、「ブルターニュ産そば粉」という意味です。Farine=粉/blé noir=ソバ(直訳すると黒い小麦。”Sarrasin”が一般的ですがブルターニュではソバを指します)/de Bretagne=ブルターニュの(ブルターニュ産)

観光客向けにブルターニュ土産コーナーもありました。
地元産を使用したガレットやクレープ、ブルターニュの国旗が刻印された焼き物、旗、ステッカーなどなど、妙にそそるものばかり(笑) ブルターニュ地方ではコカコーラやペプシコーラよりメジャーだと思われるブレッツコーラなるものもありました。

▼ブルターニュ産直コーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
それからさすがブルターニュ!と思ったのは、家電コーナーに当たり前のように売られている色々なガレットパンを見た時です。おもちゃみたいな簡易版から本格的なもの、1度に2枚焼けるものやガレットを焼きながら隣で調理もできるような複雑なものまで本当に多種多様。日本ではまず手に入らないものばかりなので、重さが気にならなければ1台買って帰りたい!と思ったほどです。
価格は3,000円~50,000円とかなり開きがありましたが、価格の差は機能やクオリティの差という感じで、自宅でもプロさながらのガレットが焼けそうな気がしますよね。

▼家電コーナー売られているガレットパン
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥

ガレット以外にもまだまだ書ききれないほど、このスーパーには驚きが詰まっていましたが、トレーサビリティの事に関しても福井の越前そば文化はもとより、日本の蕎麦文化よりもブルターニュのガレット文化の方が食文化として根強いんじゃないか・・ということを考えさせられました。

ブルターニュで栽培されたオーガニックのそば粉を使ったガレットがいつでもどこでも、手軽に食べられて本格的に作る事もできる。ブルターニュの住民の生活の”そば”に「そば」がある。たった数時間でしたが、非常に興味深い体験のこのスーパーでさせてもらった気がしました。

さて、いよいよ次回はフランス・ブルターニュに来た最大の目的である、ブルターニュ産そば粉の製粉工場を視察します。ブルターニュとソバとガレット文化の本質を知り、日本のガレット文化との違いを探るのですが、実はフランスに着いた段階ではどこのアポイントも取れておりませんでした。

というのも、今回の渡仏はちょっとしたご縁から突然に決まったことで、とても工場見学のアポイントを取れる時間がなかったのです。僕たちもそうですけど、どこの馬の骨か分からない外国人がふらっと現れて、そう易々と工場見学など受け入れてくれる製粉所はありません。
パリでのイベントの時、フィションさんにファティゲ製粉所へのアポイントを取っていただいたのですが、当日になって訪問することが出来なくなり、かといって強行突撃したところで怪しまれて終わりです。何より失礼ですしね。

そこで、まずはブルターニュで有名なガレット店であるバン・ド・ブルターニュのCrêperie La violetteさんにて食事することにしました。パリで食べるガレットよりも生地の香りや味が強く色も濃い。蕎麦で言うなら田舎そばな感じでとても美味しかった。シェフに日本からガレットを勉強しに来たということ、ブルターニュのガレット文化について、そば粉の挽き方や品種など、色々な質問をさせていただいて、最後に今から見学させてくれる製粉所はないでしょうか?と質問したら、なんとその方はブルターニュ製粉組合の会長さんで、僕たちの熱意を汲み取っていただいたのか、すぐに数件の製粉工場へ連絡してくださることに。それが今回、視察を受け入れてくださったところです。

数分後、アポイントを取ってくださり、念願のブルターニュ産そば粉を製粉する工場を見学させていただけることになりました。


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本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

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フランスTREBLEC社のそば粉(Farine de Sarrasin)を二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。

ブルターニュの大型スーパーには、とにかくさまざまなガレット用のそば粉が陳列されていました。
「Farine(ファリーヌ)」というのが粉類全般を指し、そば粉は「Farine de Sarrasin」、小麦粉は「Farine de blé」です。

で、おもしろいのが、ブルターニュではソバを指すときに「Sarrasin」ではなくて「Blé noir」という表記が多く使われているんです。「Blé」とは小麦、「noir」は黒いという意味で、いわゆるソバは「黒い小麦」という表現なのです。パリのスーパーではほぼ「Sarrasin」だったので、ある意味「Blé noir」と書かれているそば粉は、”ブルターニュ産である”という一つの差別化になっているのかもしれませんね。

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。
パリで買い求めた、TREBLEC社のFarine de Sarrasinを使って日本蕎麦を打っていただきました。産地はフランス産と外国産のブレンドで1㎏入り3.8EUR(約530円)となかなかお手頃価格。

当然ながらガレットを作るために栽培・乾燥調整・製粉されているので、そば粉自体の含水率は日本のそば粉に比べて低くいです。また、このそば粉に関しては石臼ではなくロール製粉で、そば粉の質感がサラサラとしていていかにも繫がりにくそうだったのでつなぎ粉には強力粉を使っていただきました。フランスでガレットを作るために製粉されたそば粉にしてみれば、まさか生そばにされて茹でられるとは思いもよらなかったでしょうね(笑)

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。
水回し、こね、菊練り、手のし、丸延し、本のし・・と、どこかで切れたり割れたりするんじゃないかと思っていたんですが、このガレット粉に関してはすごく打ちやすかったそうです。麺線もご覧の通り、細く美しい。

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。
ガレットに使われるそば粉は全粒タイプだから、色が濃さは写真からでも十分伝わってきますし、ガレット粉でもこうやって日本蕎麦に十分使えるっていうのが興味深いですよね。
さて、問題は味です。

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。
早速、湯がいて盛り付けてみました。

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。

田舎風で表面につやがあって実に美味しそうなビジュアル♪

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。

香りは、そばの鮮烈なものよりも過乾燥による香ばしさに近いものを感じました。食感は打ちたてでは水分が粉に十分に回っておらず、乾麺を食べているかのような感じ。しばらく時間を置いてから食べると生めんの食感がでてきましたね。

フランス産そば粉を使って、二八の手打ち蕎麦に打って食べ比べてみました。
実際に日本で通用するかというと、問題ないと思います。というよりとてもおもしろくて興味深い!
フランス産やブルターニュ産の一つの個性として捉えれば、全然ありですし、きっと蕎麦好きにも受け入れてもらえるんじゃないかと思います。

そば粉がそば粉なので、日本風の出汁ではなくて、洋風にしたらばっちり合いそうな気がしますし、バターやオリーブオイルを使ったソースとの相性はむしろ日本のそば粉よりも合いそうな気がします。

今後、弊社ではブルターニュ産のそば粉を取り扱う予定でおりますので、興味津々の方々からのお問い合わせを楽しみにしております(笑)

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【現地視察】ガレットの本場フランスで、福井産ガレット粉を職⼈に試してもらいました。

フランス産ガレット粉と国産ガレット粉違いを探りに福井県そば粉を製粉する加賀健太郎がフランスへ渡りました。パリでは福井県産そば粉を使って現地シェフにガレットを依頼。その後ブルターニュのガレット料理を食べ巡る旅へ出かけました。フランスで高評価を得た福井県産ガレット粉商品を紹介します。

【現地視察】ガレットの本場フランスで、福井産ガレット粉を職⼈に試してもらいました。

 

 

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2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。

全面にそば畑が広がる坂井市丘陵地の圃場は、夏そばがいよいよ白い花をつけ始めました。青々とした新緑の香りと、風に乗って匂ってくる独特のそばの花の香り。まずは、ひと段落といったところでしょうか。

2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。
背丈30㎝くらいまで成長したソバは、4月下旬にまとまって降った雨により湿害がでて茎が一部、赤く染まり始めているところも確認できましたが、今のところそれほど深刻な状態ではありません。このまま・・このまま・・・ 順調に育ってほしいです。

2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。
4月上旬に播種した圃場は6分咲きで花の香りも強くなってきています。交配するのに重要な役割を持つ虫の数が少ないかなと感じましたが、天気が悪いからでしょう。

2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。
日中は30℃近くまで気温が上がり、夜になると15℃以下にまで冷え込むこの温度差がソバが好む環境。明るい内は栄養を作り、暗くなると養分を蓄える。この連続で美味しいそばの実が育まれます。

2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。

圃場の場所によって光合成を妨げる「うどん粉病」が見られました。ソバの葉にうどん粉が付着したように変色した点々が見て取れると思いますが、これがうどん粉病です。今の状態は大した影響は出ないと思いますが、症状がひどくなると葉一面に広がってしまうので、生育に支障が出てしまいます。

2018年「越前ふくい夏の新そば」は播種が終わり、ソバの花が開花しました。花が満開になって、結実して、熟して、収穫するまで、いくつものハードルを越えていかねばなりませんが、どうか安定した天気で収獲を迎えてほしい・・その一心です。

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そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤

いよいよ今回の視察で最も肝になる、そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュに進んでいきます。フランスの高速鉄道TGVを利用して、パリ・モンパルナス駅からブルターニュの玄関口・レンヌ駅へと移動します。

フランスのTGVは日本の新幹線のように車両それぞれに動力があるのではなく、先頭車両と最後尾だけに動力があり、間の車両はくっついているだけだそうです。なので先頭車両で引っ張って、最後尾が押すように動くから出発早々はなかなかスピードが上がらないけど、一度、スピードに乗ったら300㎞オーバーで走行するんだそうです。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
トップスピード時の車窓をみていると実際にどのくらいスピードが出ているのか分かりませんけど、300㎞以上は確実にでていますね。ただ、日本の新幹線と比べようにも景色があまりにも違うし広大なのでスピード感があまりなかったです。ただ、その割に震動が少なくて快適でした。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
乗車席は日本の新幹線ほど空間のゆとりはないけれど、何よりオシャレでカッコイイし対面でテーブルが設置されているのも外国の鉄道だな!って感じがします。電源もWi-Fi も使い放題。こんな車両で長距離旅行できるってだけでウキウキしますね。

それにしてもフランス人は進行方向と反対向きで乗車しても酔わないんですかねー?いつもの事だから特別気にならないのかもしれませんが、新幹線を対面で乗ったことが無いので結構、新鮮な移動でした。そうそうTGVもパリの地下鉄みたいにやっぱりアナウンスが淡白だったので、一駅のはずなんですが、ドキドキしながら乗っていました(笑)。日本のアナウンスがしゃべりすぎるというかクドイのかなと思うくらいです。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
レンヌ駅到着。
パリよりも気温が低く、北陸のような重めの雲が空を覆っています。なるほど・・さすが世界3大そば産地。ジメジメとしていて昼夜の寒暖差があるのはそば産地において共通しているんでしょうかね。それにしても、トウモロコシを運ぶ貨物列車のデザインが素敵♪ ソバもこんな風に輸送してくれると嬉しいなぁ・・。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
正面から見たレンヌ駅。
新駅舎建設中で全体は見れませんでしたが、ブルターニュの玄関口としてシンボル的な駅になりそうです。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
レンヌ駅前にブルターニュの土産物を取り扱うショップがありました。
クッキー、チョコレートなどの菓子類やバター、はちみつ、シャルキュトリーの缶詰、陶器、ボーダーの衣類など、ブルターニュ色を前面に出した品ぞろえ。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
テイクアウトのガレットはもちろん、そば蜂蜜やソバビールなど、ソバを使った商品も数多く取り揃えてありました。これはソバチップス。薄く焼いたガレットのようなものを切り分けて加熱乾燥させ、塩や砂糖を纏わせたものです。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
クレープリーはレンヌ駅前だけで4.5件ほど確認できました。お店の外観もパリのガレット通りで見たものとは違って、ガレットの本場という雰囲気が全面に伝わってきます。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
こちらはもろにブルターニュといった感じですね。
お店のデザインそのものがブルターニュ国旗ですもん。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤

ブルターニュ滞在中のホテルは、レンヌ駅前にあるHôtel Astrid(写真右側の建物)。
正面はレンヌ駅。

そば粉のガレット発祥の地、ブルターニュへ。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑤
Hôtel Astrid(rennes)
32 Avenue Louis Barthou, 35000 Rennes,FRANCE
TEL:+33 2 99 30 82 38

これから始まるブルターニュ視察。実はレンヌに着いた段階で全く予定が決まっていない状態でした。しかし、そんな不安など吹っ飛っんで記憶までも飛んでいってしまうくらい刺激的で興奮冷めやらぬ濃密な内容になるという事は、この時は全く想像していませんでした。

一体、どんなミラクルが起こったのでしょうか。
ブルターニュ視察、お楽しみに♪


このブログでは、福井のそば粉屋として専門的な分野から、プロの話や技術、製法、栽培に関してなどをご紹介していきます。ガレット店の紹介や文化、観光に関しては以下のブログをご覧ください。
本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

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ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察④

フランス3日目はブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価をいただくイベントがパリ市内のLa Maison du Saké(ラ・メゾン・ド・サケ)にて行われました。

クレーピエ(クレープとガレット専門の料理人)は、アンジェ市にあるクレプリー・デュ・シャトー(Crêperie du Château)店主のル・フィション氏。始めて使っていただいた福井県産ガレット用そば粉と慣れ親しんだフランス産そば粉の違いやそれぞれの良さをガレットのプロという視点からお話をお聞きしました。

▼ル・フィション氏(クレプリー・デュ・シャトー Crêperie du Châteauオーナーシェフ)
ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。

加水前/後でそば粉の表情が全く異なる

今回、比較していただくそば粉は、弊社製造の福井県産 越前ふくいガレット粉【KS】、もう一つはブルターニュにあるファティゲ製粉所製造のブルターニュ産そば粉。どちらも古くからその土地にある在来種で無農薬栽培、皮付きのまま石臼で製粉した全粒タイプのそば粉です。

粉の段階で比較した所感は、越前ふくいガレット粉は細かくゆっくりじっくり製粉しているので粒子が細かく、福井在来の粘りと香ばしい香りが感じられます。一方、ファティゲ製粉所のガレット粉は、さらさらとした手触りで粒度も割と粗く黒い皮もしっかり確認することができ、粉の色だけを比べると福井県産の方が黒い。

しかし加水して数日間熟成させた生地を見てびっくり!左のステンレス容器が福井県産越前ふくいガレット粉【KS】を使った生地。右のプラスティック容器がファティゲ製粉所製造のブルターニュ産そば粉を使った生地。色の濃さは福井県産の方が黒く出ると思っていたのですが、粉の段階でここまで発色するとは想像できなかったので驚きました。

実はこれにはいくつかポイントがあります。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。

硬水と熟成(発酵)がガレットのポイント

発色(色の濃さ)やパリッとした食感は、「水と熟成(発酵)」が重要なポイントでした。
フランスは硬水です。先日、そば打ちで硬水は日本そばにはちょっと厳しいというお話をしましたが、実はガレットにはこの硬水がいい仕事をするようです。一つはそば粉の粘りを引きださないという点。サラッとした生地ができるので、高温でサッと焼くとパリッとした食感が出やすくなります。もう一つは熟成(発酵)。硬水に含まれている石灰分がそば粉の色を十分に発色させる働きがあるようです。そば打ちする場合、この石灰分が香りや旨み、それから作業性を良くしてくれる粘りの働きを著しく抑えてしまうようです。

なので、以前、日本で外国のお客様から「ガレット粉がなかなか発酵しないのですが、どうしたらいいですか?何か方法はありますか?」という質問に答えられず、発酵させる意味が分かりませんでしたし、発酵させるとどういう効果があるのかも知らなかったので、今回、その答えがはっきりと分かりました。水の違いなんて日本でいくら調べても分からないはずです。

ちなみに、ここでいう熟成(発酵)とは、黒く発色させて滑らかな生地にするということです。
熟成期間が長くなると全体に気泡が生まれ、焼いた時にポツポツと細かい穴が開くようになります。熟成の目安は1日~3日。まず、全体の半分の水をそば粉に加え、固めの生地の状態で冷蔵庫で寝かせます。好みの熟成具合になったら、焼き上げる直前に水を足して調整します。熟成させすぎると酸が出て劣化が始まりますので、そこの見極めは必要ですね。

こちらがファティゲ製粉所のブルターニュ原産石臼挽きそば粉(マクロビオ)。
スーパーに並ぶ事はなく、フィション氏もこのそば粉に出会い取引してもらえるようになるまでかなりの年月を費やしたそうです。フランスの製粉所ではほとんどが機械製粉という中でこのファティゲ製粉所は数少ない石臼製粉専門のメーカーで見学を希望する観光客も多いのだとか。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。

ガレットパンの温度と食感

本場のクレーピエの仕事を間近で見れるなんて最高の経験です。
鉄板の温度は300℃に設定し、生地を流した時に270℃前後に落ちるくらいがガレットを焼くには良い温度帯だそうです。生地が薄いところはすぐに焦げ付いてしまいますが、高温度帯で一気に焼き上げることによりパリッとしたサクッとした食感と香ばしさが際立っていました。

日本では電気式ガレットパンの場合、電圧の関係で230℃~250℃までしか熱くなりませんので、焼きあがりまでモノによっては10分くらいかかり香ばしさもフランスのガレットに比べると弱いかもしれません。フランスに来るまではこの食感と香ばしさの違いが分かりませんでしたが、直接、間近で見れて感じられたことは大きな収穫でした。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。

フィションさん直々にガレットのレクチャーをしてくださいました。
日本では何度かガレットパンでガレットを焼いたことがあるので、何となくできるかなと思っていたんですが、生地の粘度というか抵抗がやっぱり全然違ってて、1度や2度でできるものではなかったです。ただ、フランス産はさらりとしていて生地が広がりやすかったです。ロゼルに指を添える程度の力加減で十分広がってくれるという感じ。

フランス・ブルターニュ産と福井県産の評価

2種類のガレットを前にイベントに集まってくださったプロの方々たちがフランス産そば粉の良さ、福井県産そば粉の特徴など色々な意見交換をしてくださっています。その中から”フランス産そば粉よりも優れている”とお褒めいただいた、「福井県産そば粉の良さ」をいくつかご紹介します。

▼ル・フィション氏より
・福井県産そば粉にはフランス産にはない独特の粘りがあり扱いやすい
・一度ガレット用のタネを作ると、よい状態でとても長持ちする
・福井産そば粉のガレットはフランスのガレットとクレープの中間くらいの感覚
・福井県産そば粉は食べた後に苦みと酸味が感じられ、焼き方によってはフランス産より香ばしさが出る

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。
▼ペテル・ルモニエ氏(コントワール・デュ・コメルス(Le Comptoir du Commerce)オーナーシェフ)
・ブルターニュ地方のガレットはちょっと大味な感じだが、福井県産そば粉のガレットは私が食べたことのないような繊細な味がした(オリジナルな味、インパクトがあった)
・フランス産に比べると香りがよく、これは品種の違いというよりソバの挽き方の違いによるものと思う
・福井県産そば粉はタネを作るため混ぜたり練ったりする作業がしやすい
・驚いたのは保存に耐えられるという点。まとめて保管しておく場合に向いている

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。
▼シェフのロマン氏とパティシエ杉山氏(アクサン(Accents Table Bourse)
・フランス産のガレットは特にまわりがパリパリしているが、福井県産は粘りがあって柔らい(粘りというよりソフト)
・カガセイフンのガレット粉は、フランスの小麦粉とガレット粉との中間くらいな印象
・フランス産よりテクスチャーが細かく、調理しやすい
・フランス人にとってそば粉は「ガレット」以外にはイメージがしにくいが、今回のそば粉はニョッキにするとぐっと味が前面に出る
・牛乳と合わせるとすごく「そば」を感じ、福井県産のほうが香りも味も濃く強くでる印象を持った
・カガセイフンさんが作られた福井県産「そば茶」は飲料としても食材としても試してみたい味

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。
最後にイベントに携わってくださったプロの料理人たちと写真を撮らせていただきました。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。
その様子が日刊県民福井に掲載いただいたようです。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。
また数日後、今回お世話になったクレープリーにて弊社のガレット粉を使ったガレットをご提供いただきました。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察④:ブルターニュ産と福井県産のそば粉を使ったガレットの試食と評価。

▼弊社、納入事例にもご紹介させていただいております。
【そば粉の納品事例】Crêperie du Château(クレプリー・デュ・シャトー)様/Anges,France

今まで、「フランス産のそば粉の取り扱いはありませんか?」というお問い合わせを何度かいただいてきて、ガレットに使うそば粉はなぜフランス産がいいのか?そして、なぜ国産では満足できないのか?フランス産は福井県産に比べてどこが優れているのか?という事を考え続けてきました。
日本ではそれこそ東京に行けば、世界中から取り寄せられた各国の料理が食べられますが、本当に美味しいものを食べようと思うなら現地へ行って食べるのがベストです。現にフランスではパリだろうが田舎町だろうが人気店は遠方からでも人が来るし、繁盛もしています。価格も田舎だから安いということはありません。

今回のイベントでお世話になったシェフの方々のお話から得たことは、
①環境が違うと本場の素材を取り寄せても新しい価値は生まれるかもしれないが本場の味にならないということ。
②作りたい料理に合わせて、その場所(国)で手に入る新鮮で良い素材を選ぶことが最も重要だということ。
③同じ素材でもそれぞれの特性を見極めて自由な発想の基に必要な調理を行うことが料理人の腕の見せ所

ということです。
ブルターニュへ行く前にすでにたくさんの勉強をさせていただき、感無量でした。
この経験を必ず日本で生かしていきたいと思います。

▼Accents Table Bourse
24 Rue Feydeau, 75002 Paris
01 40 39 92 88
accents-restaurant.com

▼Crêperie – Le Comptoir du Commerce
1 Rue des Petits Carreaux, 75002 Paris
01 42 61 57 56
www.comptoirducommerce.com

▼Crêperie du Château
21 Rue Saint-Aignan, 49100 Angers
02 41 88 53 87
www.facebook.com/pages/La-Crêperie-du-Chateau/362170970529140


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本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

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