野暮用で京都へ行った帰りに美山地区に寄りました。
嫁さんの発案で行ったのですが、この一言がなければ僕は美山地区という言葉も、こんな素敵なかやぶき集落が今でも実在しているというのも知らなかったでしょう。
日没前だというのに多くの観光客やライダーが引っ切り無しに訪れてきて、静かで穏やかな集落がお祭りのように賑やかな雰囲気に溢れていました。
のどかです。
人工的な音は何も聞こえません。
聞こえるのは、虫のさえずりと、風の音、川の流れ、一定のリズムを刻む機織りの音、おばちゃんが雑穀を木の棒でたたいて脱穀している様子。
ここは今、どこで、何年前にいるのか・・ タイムスリップしたかのような錯覚になります。
かやぶきって間近でジロジロと見たことなかったんですが、表面と内側とその間はすべて層になっていて使われている部分が違うんですね。すべて手作業なんて想像に苦しみます。
30年に一度、かやぶきを仕替えるそうですが、需要がないために年々職人さんは減少していく一方だそうです。我々の目立ての技術と似通っていますね。それでも近年、必要に応じて昔からの技術が見直されてきていますが、伝統を伝えられる職人さんがすでにいなくなっているため、昔から日本で育まれてきた職人の技術というものが日に日に失われつつあります。とても残念なことです。
毎日、パソコンの前に何時間も座っていると、無機質な感じがしてなんだか気分がおかしくなってきます。
このように昔からの集落で昔ながらに自然とともに過ごせるというのは大変だろうけど、とても豊かで自由な気がしました。