[福井新聞経済欄2017.11.21]
福井県産ソバ7割減か
JA県経済連 集荷見通し 台風影響 過去にない不作 業者 確保に苦慮
JA県中央会によると、県内のソバの圃場は約3,600ヘクタール。今年は7月下旬ごろから種まきが始まったが、8月8日に県内を直撃したのは台風5号によって広井範囲で激しい雨に見舞われ、多くの圃場で発芽不良が発生した。種をまき直した圃場もあったが、その後も雨の日が続き、立ち枯れの被害も出た。
さらに、収穫期直前の10月22、23日には超大型の台風21号が福井県に接近。県内全域で強風と大雨に見舞われ、倒伏や実が落ちる被害が発生した。JA県経済連は、今年度産の集荷量は昨年産(約470トン)の3割程度にとどまるとみている。
「不作の年は何年かに一度あるが、今年は過去にないぐらいひどい状況」と頭を抱えるのは、カガセイフン(福井市)の加賀健太郎社長。例年は年間70~80トンの県産ソバを仕入れるが、今年は10~15トンを見込む。不足分は北海道など他の国内産とブレンドして販売するなどの対応を取っているという。
県産ソバの価格は、他産地の相場や需給状況などから12月中旬ごろに決まる見込みだが、加賀社長は「昨年産の1.5~2倍程度になるのでは」とみている。
「県産のソバは全国でもトップレベルの品質」と話すのは斉藤製粉所(同市)の齊藤稔社長。県産の確保に奔走するが、例年の6割程度にとどまる見込みという。他産地のそば粉とブレンドして販売している商品の福井県産の割合を減らして、「できるだけ県産100%として売る分を確保したい」(齊藤社長)としている。
一方、県産そば粉を使っているそば店も苦慮している。坂井市丸岡町産のソバにこだわって営業する大宮亭(同市)の本谷充店主は「例年は年間11トンを仕入れているが、今年確保できたのは約7トン」と話す。県内の他産地からの仕入れを模索しているが、「どこも収穫量が少なく、なかなか譲ってもらえない」(本谷店主)状況という。
年内は丸岡町産での提供を続けるが、年明けからは県外産を1~2割混ぜて使わざるを得ない状況。ソバの仕入れ値は高くなる見込みだが、本谷店主は「お客さんに負担を求めるわけにはいかない」と、値段は据え置く方針だ。
[11月21日(火)]
天気:晴れ
石臼工場内室温:11℃
石臼工場内湿度:38%
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