[日本ネット経済新聞2015.12.11] にカガセイフン「末吉の越前蕎麦粉」を掲載いただきました。
カガセイフン「末吉の越前蕎麦粉」
越前そば名産地の福井県でそば粉を製造販売している、創業135年のカガセイフン。屋号の「末吉製粉」の方が有名かもしれない。
同社のそば粉は全て伝統の石臼でひかれている。その石臼は山から切り出してから20年以上寝かしたものしか使えない。生産効率は最新式の臼の20分の1以下。しかい、石臼の回転速度を上げると熱が出て、そば本来の香りが取んでしまう。自分の目から見て納得のできるそば粉を作るには、この石臼を使うほかにない。生産効率は上げられない。
一方で、そばの名産地だけに粉屋も多い激戦区。何か活路を見つけなければと思い、07年にネットショップを立ち上げた。少しずつ売れ始めたが、すぐに壁にぶつかった。非効率な石臼では生産余力がそれほど残っていなかったのだ。ネットでの販売価格は一般消費者向けということもあり、従来の地元そば店向けより少し高くしていたが、手間を考えると利益は出ていない。現専務の加賀健太郎氏は、悩みながらもネット販売を続けていた。
適正価格で顧客に評価される
「やはり増産はできない。活路は値上げしかない」
答えは簡単だが、当時は地元そば店向けが売り上げの柱であり価格競争もあった。仮に一般消費者向けでも既存の販売先が見る可能性があるHPに高い価格を載せるのは大変怖い事だった。社長でもある父との口論。しかし、値上げのOKは出ない。
あるとき、「高くても買っていただけるお客さまとは、うちの仕事に対して、より高い評価をしていただいたお客さまではないだろうか。そんなお客さまと長くお付き合いしたい」と社長に伝えた。そして、初めて一部の商品に適正利益が見込める価格をつけることができた。
BtoCのショップにいくつかの他県のそば店から「こんなそば粉が欲しい」という依頼が来た。納品後、あるそば店は「そばつゆが負けてしまうほどのそば粉」と評価した。これが怖さを乗り越えさせてくれた。その後、少しずつそのほかの商品も適正価格をつけていった。
現在では適正価格な利益を伴ったプロの仕事を続けている。ネットショップは”自身の仕事”を全国のお客様に客観的に評価していただく道具でもある。
[12月11日(金)]
天気:雨
石臼工場内室温:11℃
石臼工場内湿度:73%
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