末吉製粉の石臼紹介 vol.3

おはようございます。

今朝はなんと、アラレとみぞれが降りました。
そろそろ葉桜になるこという頃なのに、いつまでも上着が手放せません。

窓の外を見てみると・・・今、8時40分すぎましたけど、ちょっと晴れ間が出てきましたかね。でも、奥の方に重くて暗い雨雲が漂っているのを見るとお昼から天気が荒れそうです。

休日にお花見行っといて本当に良かったです。

本日も福井県産 石臼挽き越前蕎麦粉製造元:株式会社カガセイフン、オンラインショップ:末吉製粉は18時30頃まで営業しております。よろしくお願いいたします。

今日は、昨年発売したばかりの新銘柄福井県産100%【吉峰】抜粗挽き越前そば粉を挽く石臼をご紹介したいと思います。

この石臼は末吉製粉商店として雑穀商で創業して以来、先代たちから代々受け継がれてきたもので、今現役で使用している石臼の中では4番目か5番目くらいに古いんじゃないかと思います。

大きさは1尺5寸(約45㎝)、上臼の重さは約60kgと決して小さくはないんですが、石臼の形を見る限りできたての頃はおそらく75kg~80kgほどあったと思うので、100年以上使い続けられている内に目減りしたり、目立て作業を繰り返すうちに、厚みが減り、重さも軽くなって今に至ります。

僕の祖父や祖祖父、その前の代などの方々とともに過ごしてきたと思うと、この石臼はそば粉を挽くただの道具ではなく、これ自体が僕たちがそば粉屋を続けてきた証だと実感します。

【吉峰】抜粗挽きそば粉はこの臼でしか挽くことができません。

それは長い間、色々なそば粉を挽き、過去において色々な石工さんから目立てを施され、時間とともに形成されたこの石臼にしかない独特の目、絶妙のすり合せ、上臼下臼の相性が【吉峰】抜粗挽きそば粉を挽くからです。

粗挽きだけど、ボソボソぶつぶつではなく、モチモチ感と薄ら透明感がある。
それから、粗挽きにするとどうしても香りの点で少し淡白になってしまいがちではありますが、加水するとふわっと立つそばの香ばしい香りがする。

他の石臼でも同様な粉が挽けるかどうか色々試してみましたが、粗すぎたり細かすぎたり、香りを殺してしまったりしたために、【吉峰】抜粗挽きそば粉はこの石臼だけで製粉していこうと決めました。

弊社には今、26台の石臼が稼働しておりますが、同じ原料を使用して、同じ回転数で、同じ量を、同じ時間に挽いてもそれらすべてが全く違うそば粉を挽きます。また、その日の室温・湿度・天気によってもそば粉の状態は日々変化しますので、毎日全く同じにはなりません。

毎日、26種類以上の違う表情のそば粉を挽くたびに見ることができるというのは、非常に興味深くそば粉を挽く醍醐味みたいな境地があります。

いつもお店に来ていただいてお買い求めいただくお客様もいつも頭をかしげながらお話されます。
「毎回、同じ銘柄を打っているけどいつも通りに打ってもいつも全く違うそばになる。でも、毎回違う結果が出るからそば打ちはやめられない」と。

以前、とあるセミナーで聞いたお話を流用しますが、「いつもと変わらない味」「いつもと変わらない蕎麦」というのはいつもその時代や環境、求められるものに合わせて微妙に変化しているからいつもと変わらないわけで、もし本当に微塵も変わっていなかったら変わってしまう。

その場に合わすのではなく、その場に合わせたやり方が大切なんだと改めて勉強したところです。

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福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉の通販は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝
挽きたて越前そば粉のお取り寄せは、オンラインショップの末吉の越前そば粉をご利用ください。
みなさまのご来店を心よりお待ちしております。

■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生

■越前そば粉屋おかみのブログは、石臼で挽く越前蕎麦が大好きなおかみ

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加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
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