「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。

いよいよ焼畑そばの振る舞い会が開かれます♪
まずは製粉作業から・・・の前に、目視で夾雑物を取り除く作業から始めます。

こうやって白い板の上に玄そばを入れて板を揺らしながら玄そばに紛れている小石や茎などを取り除いていきます。これがいわゆる精選というやつです。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
精選した玄そばは手挽きの石臼で丁寧に挽いていくのですが、この工程が人によって最も個性が出るところ。最初は誰もがゆっくり丁寧にできるんですが、継続的に力が必要でとにかく根気のいる作業なので、次第に飽きてきたり嫌になってくるんですよね(笑) 美味しいものを作るためにいかに手間暇を惜しめるかが大切だなぁとこの製粉作業を通して感じました。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
僕ももちろん製粉させていただきました。
手のひらで2杯分を10分ほどで製粉したところです。投入量は粉の出方や出てきた粉の粒度を見て加減しつつ、回転数もなるべく一定を保って均一なそば粉になるように心がけました。僕は根気がない方なんですが、粉挽きは性に合ってるんでしょうか。1時間以上続けても嫌になることなく楽しくやらせていただきました。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
挽いたそば粉は篩にかけて、篩に残った粗粒はもう一度、石臼にかける。
これを繰り返して貴重な玄そばを残らず粉にしました。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
さて、お待ちかねのそば会。
最初は製粉所で製粉してもらって焼畑そば。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
そばの皮を取って丸抜きを製粉したものなので色は白くほのかにホシが飛んでいます。良く言えばすごく上品で甘みを感じる素朴な味わい。悪く言うとせっかくの焼畑の良さが失われてしまっているような印象でした。

2つ目は山を下りた平地でも1か所焼畑そばを作っていたのですが、それを皮付きの玄そばごと手挽きした蕎麦。種は私たちが普段扱っている福井在来種と同じものですが、栽培された場所の気候風土が作り上げた味わいといいますか、挽きぐるみにしているだけあって穀物味があって濃厚でした。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
最後に汗水たらして頑張った山の焼畑そばを手挽きしたそば。
2つ目の蕎麦との違いは、平地で栽培したか山で栽培したかの違いしかないのに全然別物でした。穀物味はさらに強く、香ばしい香りもある。みんな一丸となって手挽きした気持ちが込められているということもあって、参加された皆さんが一番美味しい!と言っていました。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。
今回、焼畑で栽培から収穫、製粉、そば会と一連のそば作り体験をさせていただいて、とてもいい勉強になりました。普段から農家さんやそば屋さんとは密にお話をしているものの、日々、製粉ばかりやっているとその前後の工程がどのように行われているかということが見えなくなってきます。

こうやってみなさんとともに同じ目標に向かって協力し、楽しさや苦しさを分かち合い、最後に美味しい!という体験ができることは幸せなことです。また来年も機会があれば参加したいと思います。

加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
カテゴリー: 福井県内に育つそばの様子 タグ: パーマリンク