そば粉の納品事例

全国の名産そば粉を取り寄せて比べ打ち
その中から抜群に光ったのがカガセイフン

お店をはじめたきっかけを教えてください。

田口さん（以下、田口）前職で、手打ち蕎麦を出す仕事をすることがありました。そのときは北海道産のそば粉を使っていましたが、香りも粘りがいまひとつ。自分が蕎麦店を開くときにはこんな蕎麦にしようというイメージを持っていました。

どんな蕎麦をイメージされていましたか？

田口　蕎麦を粗挽きでやってみたいと思っていて、「ホシがある蕎麦にしよう」と。店名の『星』にもこの意味を含ませています。ただ粗挽きにするとつながりにくいことは分かっていました。

カガセイフンを知ったきっかけと選んだ決め手を教えてください。

田口　最初はそば粉をインターネットで調べて、北海道や信州などから取り寄せました。その中にカガセイフンさんの粉もありました。カガセイフンさんのそば粉を使うと、自分の作りたい蕎麦になるとイメージが掴めました……が、価格が他産地と大きく違いまして（苦笑）。他産地は正直3分の１か2程度、安いのです。どうしようかと悩みました。しかしイメージどおりの蕎麦で出したい想いがありましたし、蕎麦は味が勝負！カガセイフンさんに決めました。

おかげさまで開店後「蕎麦がおいしい」ということが広がりお客様が増えたので、今さら素材を変えることはできません。

カガセイフンの粉の印象をおしえてください

田口　使えば使うほどイメージに近づいていきます。いろいろなそば粉を使った私の印象では、まず香りが違います。それは水回しの時に強く感じます。

夏場でも品質管理をして送付してくれるので、つながりやすいです。もともと石臼を置いて玄そばを取り寄せ、自分で挽いたものを出したいくらいの気持ちを持っていました。スペース上かないませんでしたが、同等の「挽き立てのベストなもの」を希望したので、カガセイフンさんは私にとってベストです。

ひとりでやる店だから調理の素早さが命。
茹でる時間1秒にもかなり気を配る。

蕎麦を打つ際、作る際、どのようなところに気を配っていますか？

田口　ひとりで回す店ですから、蕎麦を茹でる、上げるタイミングが命です。自分のタイミングは1分近く茹でて上げること。これが30～40秒と短すぎても、1分半と長すぎてもだめ。天ぷらを揚げてから蕎麦を入れる、作業効率を計算しています。麺のかたさと細さももちろん考えています。太い麺だと1分を超えてしまう、だから打つとき細さにも気を配っています。

そば粉のやりとりで変更したところはありますか？

田口　最近ですが30メッシュだとつながりにくいので40メッシュのそば粉にしてもらいました。若い頃は30でも打てたのですが、だんだんと打ちにくくなり体力も使うので40メッシュに。おかげで加水よく、つながりやすくなりました。そば粉に対して挽きぐるみを1割加えています。いずれせよ手抜きをするとすぐに切れてしまいますから気は抜けません。

カガセイフンへのお願いはありますか？

田口　これまでどおり「常に良い状態のそば粉がほしい」です。私は早刈りではなく、ヒネのほうをお願いしています。早刈りはきれいな色味ですが味が弱い。ヒネは香りがあって美味しくなります。

加賀　星さんに納品している永平寺町産は収穫量が少なく、毎年確保が難しい産地なのです。不作でなくても量が少ない、生産量がそもそもないところなんです。なんとか契約農家さんにお願いして星さんの分だけでも確保するようにしています。

田口　そうだったんですか！1年分の確保ですよね。そんなにお手間をかけているとは思わなかった。ありがとうございます。

加賀　永平寺産は香りが違うんです。先ほどおっしゃっていた水回しの時の香りが強い。味も濃いです。細かくひくと弱くなるので完熟のみ製粉しています。

お店のことも聞かせてください。

田口　国産の河内合鴨の南蛮、ざる、それに天ぷらを付けた蕎麦料理が人気です。蕎麦自体、ザラッとした食感の蕎麦のほうが、ダシがのりやすいので、粗挽きが合います。

道頓堀の真ん中にある店なので、昼は近所のアパレル関係や会社関係の人、夜は飲食店に勤めている方が来られます。深夜12時までやっていることも集客に強い理由かも知れません。外国人や観光客も来られます。同業者の方から「いい蕎麦を出されていますね」と声を掛けられた時は嬉しかったです。

蕎麦を入れる器にも存在感がありますね。

田口　信楽焼の花器をアレンジしたものです。花器に釉薬を入れてツルッとした器に変えてもらっています。知人が窯元なのでお願いできました。

福井県産を他にも使っていらっしゃるとか？

田口　辛味大根を福井県三国町から取り寄せています。マイタケも使いたかったんだけどなにぶん大きくてね、断念しました。福井県から「おいしい福井県産そば使用店」に認定いただき、噂を聞きつけた福井県出身の人やゆかりのある人も食べに来られます。カガセイフンさんが良い粉を送ってくれたおかげで、こうして店も繁盛しています。

取材協力店

【手打ちそば 星(あかり) 様／大阪府大阪市】

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  蕎麦酒房と個室　懐石一献庵(いっこんあん)様／愛知県豊田市

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