玄そば生産農家紹介

加賀　丸岡産の玄蕎麦はとても評判がいいんですよ。大川さんが丹精込めて栽培しているからですね。

大川さん（以下、大川）　ありがとうございます。「色よし、香りよし、味よし」と言われる丸岡産の玄蕎麦です。ただし栽培面積が小さいので収量がなく、品不足になりがちで申し訳ない。

加賀　手に入らないので、ますます欲しくなるんですよ。収量が少なく、希少価値があるので販売価格が高くのはいたしかたないですね。

大川　地元の蕎麦店からも、直接玄蕎麦が欲しいと注文がありました。その蕎麦店は農協さんと取り引きをしていましたが、不作時あるいは不足時の不安があり、私どものところへ依頼がありました。私たちは、生産農家でもあると同時に、地域でソバ栽培をしている方から仕入れる、集荷業者でもあるのです。ですからある程度まとまった量は手に入ります。

加賀　大川さんご自身は、ずっと農業をされていたのですか？

大川　農業ひとすじ、といえばそうですね。平成の大合併前に地元の農協で営農指導員として従事していました。農協を辞めて自分が米やソバを栽培する側にまわり、営業もしたんですよ。
知名度がなかった丸岡産のソバを蕎麦粉にして使ってほしい、と県内外を回りました。そこで出会ったのがカガセイフンさんだったのです。丸岡産の玄蕎麦の良さをとてもよく理解してくれたことを覚えています。

加賀　たしか、うちの社長が対応したと思います。

大川　カガセイフンさんは、玄蕎麦の良し悪しを分かっている製粉会社だと出会ってすぐに分かりました。使ってみて、挽いてみて、答えを私たちに「ここがよかった」と返してくれるからです。なんでもいい、どんなものでもいい、という姿勢ではないところに感動しました。ですから、何があってもカガセイフンさんから注文を受けた分は確保しなくては！と不作時も必死なんですよ（笑）。

加賀　そんなお気持ちでいてくださったなんて、ありがとうございます。大川さんの、こんなに大粒で味がある玄蕎麦は、そうそうありません。特別な栽培方法があるのですか？

大川　私のモットーは、徹底的にキレイに作ること、栽培することです。播種時（種を蒔く）は、昨年育った中でも、大粒で良質の、一番良い玄蕎麦（ソバの実）を確保していて。それを蒔くんですよ。中粒や小粒でそれほどでもない玄蕎麦では、それほどでもないものしか育たないんです。除草剤を少し使っていますが、養分が雑草に奪われないようにするためです。

加賀　転作ですが、どんなふうに栽培していますか？

大川　無農薬栽培の畑では、麦あとに播種すると良いことが分かりました。栄養のある肥えた畑になるんです。こういった畑に肥料を入れてしまうと、栄養過多で倒れてしまう。人間と一緒ですね（笑）。良いソバに育てるためには、播種量を少なくするのもコツのひとつ。ソバ1本が太くなり、ごつく、しっかりとした実ができるんです。適度な水はけのよい土地を持つことも圃場には重要ですね。

加賀　ソバ栽培にはソバ栽培のプロがいますね。お話ありがとうございました。

カガセイフンが感じる丸岡の玄ソバ

取材協力

【農株式会社アグリフーズ福井（福井県坂井市丸岡町）様】