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玄そば生産農家紹介

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玄そば生産農家紹介

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ドリームファクトリーさま(山形県米沢市)

農事組合法人ドリームファクトリー 代表理事佐藤政和さん
年季の入った乾燥調製機で
勘を働かせ刈り取ったばかりの
ソバの品質を安定させる

「でわかおり」と「山形BW5号」を栽培
11月初旬、降雪前に収穫を急ぐ

佐藤さんのところではどんな品種を栽培していますか?

佐藤さん 私のところでは「でわかおり」と「山形BW5号」(ひたちそば×でわかおりをかけあわせたもの)を栽培しています。

平成18年までは「もがみわせ(最上早生)」も作っていたんです。新しく育種し奨励品種にした「でわかおり」を作付するようになりました。県内の製粉業者さんや問屋を通して宮城県、仙台のほうでも消費されているようですね。

山形市民は蕎麦を多く食べますが、ここ米沢市は米沢ラーメンが有名で地元の人はラーメンを多く食べてる思うよ(笑)。

2018年の作柄はどうでしたか?

佐藤さん 2018年は不作だったのでソバの価格が高くなったね。山形県内の半分が不作だったと聞きました。そのため製粉所によっては中国産を入れたと聞いています。

このあたりの播種と刈り取りは何時ごろでしょう?

佐藤さん 播種は7月20日以降です。福井のように春に播種して夏に刈り取るという夏ソバがないね。私たちは秋ソバ1本です。

刈り取りは雪が降る前だから、11月5、6日頃には終えます。葉が落ちないと刈るときのスピードが落ちてしまう。雪は年によって11月10日前後に降るから急いでいるときもあるんだよ。同じ日に蒔いても日照条件が違うと刈り取りのスケジュールも難しいもんだ。

加賀 雪が降るのが早いですね! 佐藤さんの玄ソバを仕入れさせていただいてますが、毎年品質が安定しています。作柄もとてもいい。最近は山形指定があるほどです。

佐藤さん 福井で消費してくれるなんて、ありがたいお話です。

「でわかおり」と「山形BW5号」の違いについて教えてくださいますか?

佐藤さん 「山形BW5号」は実のつきがよく収量がいいです。草丈は「でわかおり」よりも高く、茎がしっかりしているので倒伏しにくい。また香りは弱いが打ちやすいでしょう。

といっても蕎麦屋さんが使ってくれて、感触を教えてくれないと分からないね。「山形BW5号」は名前がついてないんですよ。山形県から「作付けしている人で名前つければいいよ」なんて言われてて。何かつけようかねえ。

 

 

量を求められても乾燥を急がない
質を守るために圃場以外にも気を遣う

毎年品質を安定させている、佐藤さんのソバ栽培のコツを教えてください

佐藤さん うーん、特別なことはしていないです。いくつか圃場があって、刈り取ると一緒にして乾燥調製機で混ぜちゃう(笑)。おそらくその乾燥の仕方で均一性がとれているのではないかな。

乾燥調製はひとりでされているのですか?

佐藤さん そうです、ほぼひとり。実は米の選別機を使ってます。

加賀 佐藤さんのソバは粒がきれいで、石や草がほとんど入っていません。ソバ専用の機械でもこれほどきれいに精選はできませんよ。

佐藤さん 乾燥から選別には特に気をつかっています。乾燥調製施設は一カ所にして、刈り取ってすぐに持ってきてもらう流れにしています。そういう小さな対応かもしれませんね。

乾燥の温度は何度くらいですか?

佐藤さん 乾燥温度はだいたい25~26度、30度までいかないかな。2段乾燥といって、2回目は米の乾燥調製機に入れて水分を安定させます。乾燥調製機につきっきり、米もソバもやるからもう大変、はちゃめちゃだ(笑)。コンバインで刈り取って、多い時は8台入ってくる。「ああ、これ以上今日は無理だ」と思ったら「これ以上は刈らないで~」とお願いしに回るんだよ。

 

次年度いいソバを育てるためにすること
耕耘機で何度も耕す、雑草対策が重要

圃場がとてもきれいです

佐藤さん 播種前の雑草がしっかり抑えられているからです。管理している方がしっかり雑草処理をしてくれているからだなあ。細かく3~4回耕耘して雑草対策をしている圃場はきれいになる。1回くらいの耕耘だと雑草が育ってソバが見えなくなるんだよ。

圃場にあるソバは黒い実がついていますが、まだ刈り取らないのですか?

佐藤さん 黒化率というか、どっちかというと米の刈り取りが終わらないと刈り取れないから黒くなっちゃったかな(笑)。そういう点で「でわかおり」は丈夫で作りやすいんだと思う。ソバは転作の作物だから、大豆を作れない圃場にソバを入れたり、手間をかけられないからソバを選んだり、そういうふうに作っている農家さんが多いんですよ。

水田地帯のソバは転作すると、もともとの肥料が残っていて過繁茂になるんです。その場合は来年のソバの播種量を少なくする工夫が必要ですね。

加賀 (でわかおりを見て)ここまで黒化がすすむと福井だと遅すぎると言われそう。福井県では場合によっては黒い実が3割あると刈り取りますから。

播種用の種はどのように確保しているのでしょう?

佐藤さん やはり育ちのいい圃場のものを選んでます。「でわかおり」は中粒でも大粒でも味は変わらないかな。

加賀 福井県は粒の大きい圃場と物を選んで播種用にします。

佐藤さん それをやると、だんだんと大きくなっちゃうよね(笑)。

加賀  そうなんですよ。個人的な印象ですが「キタワセ」は大粒になると大味になる感じがします。

 

山形県で作付けが増えたのは行政のおかげ
新品種を守るためバックアップをしてくれた

山形は集落営農で引き受けて生産するスタイルが一般的ですか?

佐藤さん 米沢の米生産はまだ生産農家というか個人でやるという意識があって、集落営農や法人化してやっているのは少ないほうだと思います。しかし転作作物については各地区で法人化が進みそこで引き受けているのが多いようです。作付面積でいうと、大豆は横ばいでソバは少し増えてますね。

平成14年頃にソバを選ぶ人が増えて、なんでかというと山形県や米沢市の後押しがあったからなんです。バックアップもあって乾燥施設を揃えたところもあるからかな。

加賀 福井の場合は、農家ごとに乾燥調製機を持っていますね。保管庫もあるし、低温貯蔵もできています。農家のさじかげんで米やソバができるようになっています。

佐藤さん 自分たちでやるんですね。それを維持しているのはすごい。

加賀 とはいっても福井県在来種の場合、圃場によって作柄がよい年と悪い年の差が激しいのが悩みです。

佐藤さん やはり個人で刈り取って個人で乾燥調製をするから差があるのかもしれない。 うちは10人くらいのものが入ってくるので、よい意味で均質になります。

加賀 福井は農家個人がやっているから在来種を守ることができていると思います。とはいえ行政の後押しがあったほうがいいのは確かです。

佐藤さん 在来種を守るのも圃場を選ぶから大変だ。「でわかおり」と「山形BW5号」は親が同じだからとんでもない品種にはならないと思います。

加賀さん 意外に「キタワセ」を避ける方もいるんですよ。あの独特の香り、ツンとするのが苦手という蕎麦屋さんもいます。なのでキタワセをそば粉に混ぜると分かってしまうんですよ。それに比べて山形の「でわかおり」は、混ぜても福井の在来種とけんかをせず、相性がいいと感じました。

佐藤さん そうですか。「でわかおり」は乾麺にするとつながりにくいと言われたことがあって、そのときは「モガミワセ」を使ってましたね。

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山形にも製粉所はありますか?

佐藤さん とても大きな製粉所があります。私も2社ほどお世話になっています。県内と県外にも出荷されているようです。石臼製粉とロール製粉があるようです。

加賀さんのところの石臼は15年寝かせると聞きましたが、寝かせるとそば粉は違うかね?

加賀 100年以上石臼を寝かせたほうが、そば粉を均質に挽いてくれます。石臼メーカーさんの臼とは求めるそば粉の質が違うんです。カガセイフンの場合、お客様の目が肥えていて、寝かせた時期の浅い新しい臼で挽いたら「これじゃない」と言われたこともあります。

佐藤さん 石臼以外はしないのですか?

加賀 製粉方法は、石臼挽きしかしていないんです。カガセイフンではロール挽きはほとんどないですね。そのため1日の生産量が少ないのが悩み。年間で製粉できる量が決まっていますから。現在は36台の石臼を使っています。

佐藤さん 何においてもこだわりあるんですね。ソバは使う人(蕎麦屋さん)の意識が高いが、仕入れる人の意識はどうでしょう? 加賀さんのように、訪ね歩いて確かなものを販売している製粉業者さんは数少ないでしょう。ほかにいないんではないかな。

加賀 カガセイフンでは生産者の情報はホームページにも載せています。今回、佐藤さんをご紹介しますよ。顔が見える生産者情報は、購入する方にとっても貴重な情報だと思います。

私たちも、佐藤さんのソバづくりに触れられてよく分かりました。今日はお話くださりありがとうございました。

カガセイフンが感じる山形の玄ソバ

2017年、福井は2度の大型台風で収穫量は例年の3割以下となり、翌年に播種する種そばを確保すると何ほども残らないという過去最大の大凶作の年となりました。

必要数量を確保するため他県産のソバを探すも、すでに国産ソバはある程度、行き先が決まっており、カガセイフンでは翌年の新ソバが取れるまでに必要な原料がないという窮地に追い込まれました。

そんな時、お取引先様から「山形のソバはどう?収穫した玄そばの行き先が無くて困っている農家さんを紹介したい」というお話をいただき、神に救われた思いで佐藤さんとのご縁をいただいたことを覚えています。

山形県産「でわかおり」は、名前はよく知っていたものの初めて使う産地と品種だったのでどんなソバなのか不安はありましたが、とにかくソバを用意したい状況でした。

届いた玄ソバは丸々としていて粒の表面にツヤがあり、収穫から乾燥・調製・精選まで丁寧な仕事がソバから伝わってきて、お客様からも上々の評判をいただきました。

その翌年2018年、ソバの一大産地である北海道が東北地方も縦断する大型台風直撃により不作になってしまったことで国産ソバが全国的に品薄になってしまうという状況に陥りました。山形北部のソバは絶望的だったそうですが、佐藤さんの圃場(南部)はかろうじて収穫量があり、供給していただくことができました。

作柄は良くないだろうと思っていたのですが、届いたソバは前年とあまり変わらない品質で驚きました。この辺りから一度、圃場を見て佐藤さんともじっくりお話がしたいと思うようになりました。その気持ちが今回の訪問につながったのです。

実際にお会いした佐藤さんはとても真摯に質問に答えていただいて、また山形の情報も教えていただきとてもいい勉強になりました。圃場や乾燥調製の現場もありのままを全て案内してくださり、人柄も玄そばの品質の一部であると感じました。佐藤さん、これからもいいソバをお願いいたします。

取材協力
【農事組合法人ドリームファクトリー 代表理事様】

農事組合法人ドリームファクトリー
代表理事 佐藤政和さん

所在地:山形県米沢市窪田町矢野目高野屋敷988
電話:0238-37-2015
FAX:0238-37-2015

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