そばの愉しみ」カテゴリーアーカイブ

そばが、時代を繋ぐ。

最近になって、度々気が付くようになってきたことと言えば、比較的若い方々が、「蕎麦がとても旨いんで、又打ちたくなって、粉買いに来ました。」 というお客様が増えてきたように思うことです。大変嬉しいことと思いながらも、はて、一昔前までは、こんなことを言って来店されてくるお客様は、大概50代過ぎの年輩の人達がほとんどだったのに、お客様の蕎麦に対する嗜好年齢が変わってきたのだろうか? と感じるこの頃です。

先日、弊社知り合いの、そば打ち愛好者で構成する団体が、某所にて、小学生の「父親の会の蕎麦打ち体験」に招かれて 蕎麦打ちの講師を務めるというお話がありました。それで、私も、しばらくの間その会場で、様子を拝見させてもらう機会を得て、出かけてみました。

そば打ちは、今や全国のいたるところで体験出来る環境になってきました。老若男女が、そば打ちに興じ、そばに舌鼓をうって、人との繋がりを深め合う。 とても素晴らしい時代になったと、先人達のご苦労に、只々感謝するのみです。

それで、その親子の会で感じたことは、親御さん自身が、かなりそば打ちに慣れていらっしゃる方が多いことに、気づかされたことでした。 子供たちは、そんな講師の方や、親御さん達の指導を一生懸命に聞いて挑戦している様子が何ともほほえましく、ついつい笑いがこみあげてしまう場面が随所にあって、楽しいひと時を味わうことができました。 こうやって親から子へ、子から孫へと伝達されていくことで、そばに親しみを持って頂けることが、先程の若い人達にも、蕎麦の良さが解る世代を作り出しているんだと、強く確信した次第です。

あの時僕は、若かった。

あの頃の、蕎麦の想い出といえば、私がまだ小学生の低学年時分。 それまで蕎麦という食べ物を知らないでいた頃だと思う。

ある日の午後、学校から帰ると、台所から何やらトントンと音がするので覗いてみると、
飯台で母が、枡に使うすりこ木みたいな麺棒の短いもので、一生懸命何かを延ばしている。
聞くと、親戚で頂いたそば粉だと言う。なんだか色の黒い、それこそ図工で使う粘土を連想させるような物体を、短い麺棒で、ごし ごしと力まかせに延ばしている。
母が「今夜は、これが夕飯になるんや。」そして、「母ちゃんは、あんまりそばが好きでないで、
今まで料理に出したことなかったけど、今日は、親の家から折角頂いた物やで、いっぺん やってみたんや。」と、
ぶつぶつ言いながら、そばを打っていた。
私は、初めて視るそば粉に、好物であるきな粉とは、ちょっと違うなあ・・・?ぐらいにしか感じなかった様に思う。
母が打つ、初めての蕎麦打ちの様子と、初体験の蕎麦の味。かけそばじゃなく、もちろんざるそばなんて気の聞いたものでもない。味噌汁と一緒に煮込んだような水団みたいな蕎麦だったように憶えている。
子供ながらに、なるほど母の言うように蕎麦ってたいして旨いものでもないんだな。と、この時学習した。
その後、長兄が結婚し、兄嫁が我が家の食卓を、担当するようになり、我が家の食卓は、新鮮なものになっていった。
確か兄嫁が、我が家に嫁いで最初の大晦日の時だったと思う。年越し蕎麦を食べる習慣がなかった我が家に、「今晩、おろしそばつくるでの。」と 朝から張り切っていた。
そばは、近所の八百屋で買ってきた茹で麺ではありましたが、手際の良い所作で、瞬くうちに、食卓の上に所狭しと並べられた麺皿の数々。それに、大根おろしの入った蕎麦汁を、たっぷりかけ 葱や花かつおを乗せ口の中へかき込む。
なんだか兄嫁の顔が、照れくさいほど眩しかった!!。 なんとこれが、「そば」か!
小学生だった私には、感動の一瞬だった。
母の作る日々の手料理は、多少の好き嫌いはあったものの、大抵は喜んで頂いた。がしかし、母が苦手だったものまで、自分も同じように苦手意識が働いていたことに、この時ばかりは、恨めしかった。
あれから、半世紀。 毎年暮れになると、首を永くして、当社の挽きたてのそば粉を、待つ義姉の姿がある。
やっぱりそば粉は、カガセイフン。通販も大丈夫!

そば祭り、そば打ち名人大会は、大盛況のうちに終了いたしました。

心配された天気予報が、その通りになってしまった新そば祭りでしたが、予想に反してたくさんの来場者に恵まれて、本当に嬉しい2日間でした。 ありがとうございました。
そしてこの祭りに携わってくださった関係者の皆様心から感謝申し上げます。

今年は、11月17(土)、18(日)の2日間、福井県産業会館の2号館で、例年通りの開催となりましたが、催し物の内容が、昨年と少し替わって、「歴代名人揃い打ち」というのを増やしました。

初日17日は、開会式の後 来賓の方々によるテープカットが行われ、すぐに福井市美山町のそばを愛する婦人会の皆様で構成する「そば音頭」踊りが披露されました。

素朴さのなかにも、やんわりと そば の郷愁がただよい 一緒に加わって踊りたくなるような内容で、会場をなごませていただきました。

11時からは、そば打ち体験ということで、なんと遠くは、東京からの男性が参加して下さったり、小さなお子様連れだったり老若男女それぞれが、歴代名人の指導のもとで、とても上手にそばを打っておられました。

午後からは、「歴代名人そろい打ち」がおこなわれました。
過去16年間に渡って生まれつないできた16名のそば打ち名人達が、今回9名来福され、そのうち6名の名人で、そろい打ちに挑んでいただきました。

さすがに歴代名人だけあって、ひとつひとつの所作や動きに無駄が無く、そして美しく、ながれるような工程のなかで、きちんと、まるで芸術品をみるような仕上がり(蕎麦麺)に、会場のどこからともなく、感嘆の声と、万雷の拍手が沸きあがりました。
私もこの光景を観て、素晴らしさに鳥肌の立つ思いでした。

2時からは、福井テレビによる「イヤイヤちゃんダンス」で会場の子供達は、大変よろこんでくれました。
そのあと、第6回福井テレビ杯そば打ち団体戦がありました。 出場チームは、「越前みやまそば元気の会」 「信州そばアカデミー」「茨城遊蕎塾」 「北海道選抜」 「越前そば連合」 「今年も絆 東西女子」 「ふくいそばうち愛好会」以上の7チームです。

ここでは、福井そばルネッサンス推進実行委員会幹事長の私も、審査員として参加させていただきました。
競技の結果は、優勝チームが「北海道選抜」 準優勝は、「信州そばアカデミー」 そして3位が地元 「越前みやまそば元気の会」以上です。
2日目、18日(日)は午前10時より、メーンイベントでもある第17回全日本素人そば打ち名人大会です。52名の選手の方々はもちろん、われわれスタッフも、緊張の連続です。 毎年のこととはいえ、ピーンとした空気が会場一杯に張り詰めます。
審査委員の先生方の顔ぶれは、委員長の鵜飼良平氏(東京上野やぶそば3代目・全国麺類業衛生同業組合 理事長)、審査副委員長の福井テレビジョン放送 代表取締役会長 山崎幸雄氏、大阪府麺類業生活衛生同業組合 常務理事望月興博氏、 続いて、株式会社 福井新聞社 論説委員長 北島三男氏、地元で活躍されているSYO家 吉川寿一氏、全日本素人そば打ち名人大会第3代名人 益子正巳氏、同じく第14代名人の藤倉隆則氏、以上7名の先生方です。
1グループ13名が、30分の競技時間の中で、水回し、こね、延し、切り、の4工程をこなしていきます。
各予選会では、40分で行われるのにたいして、本選では、10分短くなります。 これは相当練習を積まないと、なかなか時間内におさめることは難しいです。しかも態度、所作、清潔感、作法、と審査対象は、年々厳しさが増してきています。
これが、4グループ続いて、いよいよ審査結果と表彰式となります。

冬の寒いのは、苦手です。

子供の頃は、雪を見るとはしゃいだ方ですが、年を重ねる事に、雪で遊ぶ・戯れるという行為から、雪で滑る・こける・落っこちる(受験生の方 気にしないで)はたまた、長靴のなかに入った雪でしもやけに、といった苦い経験を積んでいくに従い、だんだんと雪に対して親しみが薄れてきたものです。

 それでも、冬の晴れ間に観る、一面の雪景色や子供達が作ったゆきだるま、かまくらを見かけると、ほっと心が和んできます。
しかし、雪は、一冬に10?20cm程度の降雪だけで済んでくれないかなあと、強く想う様になった今日この頃です。
というのも 屋根の雪かき、通路の道空け、車に被った雪のけ、道路の除雪に、仕事場の駐車場確保と、雪と格闘することにそろそろ、飽きてきました。
そんな事をする必要も手間も無いうちに、春が来た!というのが理想です。
寒い日の晩は、蕎麦焼酎のお湯割りが一番!

蕎麦を食した後は、汁かけ飯だ!

一日の仕事を終え、腹をすかせて家にたどり着いた時、生蕎麦があったりすると、飛び上がらんばかりの嬉しさである。
さっそく大鍋にたっぷりのお湯を沸かし、そばを茹でる。だし汁や大根おろしを準備し、「おろしそば」にとりかかる。
挽きたて、打ちたて、茹でたての三たては、そばをおいしく食べる三要素。
旨いものにありつこうとする時は、疲れた身体もなんのその。調理の時間がもどかしいくらい体が良く動く。

できあがった蕎麦に、おろし汁・刻みねぎ・花かつお等をたっぷりかけてズルズルと口に、かき込む。

蕎麦の香りと口に拡がる古里を思わせる様な風味が、パアーー!!と、脳天をつらぬく。至福の瞬間である。生きてるって素晴らしい!(少々おおげさ。)

家族が寄ってたかって蕎麦に、舌包みをうったときに限って、もっと蕎麦が欲しくなるものだが、そんな時程、充分に用意はしてないものだ。
お腹がまだ、納得してない時、そんな時私は、余った汁を、温かい御飯にかけるのだ!ひとよんで「蕎麦汁ぶっかけ飯」。誠にもって爽快で、簡単で、そのうえ大変おいしいのである。

第16回全日本素人そば打ち名人大会・新そば祭りが、いよいよ来月に迫ってきました。

あの暑い夏がやっと終わったなと思っていたら、近頃は、朝晩 ぐっと寒さが身にしみる程に冷え込む季節になってしまいました。

 そばの播種が、福井県の場合ですと、だいたい8月の中旬ぐらいから始まりますが、今年は、そのあとゲリラ豪雨に、2回程襲われたのと、高温が続き過ぎたのが祟って、そばの育成にかなりのダメージを、与えたようです。

従って今年はいつもより以上に作付け面積が、増えていると見聞きしておりましたが、収量に関しては、意外と期待するほどでもないのかな? と懸念しております。

 ところで、福井そばルネッサンス推進実行委員会が主催の毎年恒例となっております、「全日本素人そば打ち名人大会及び新そば祭り」は、お蔭様で、今年で、16年16回目を迎えることができそうです。
 運営にあたっては、毎年苦労の連続(特に経費面)なんですが、そばをこよなく愛してくださる多くの方々の応援に支えられて、いままで来れたことは、本当に感謝の一言です。

 福井の「そば」を日本中の人たちに知っていただこう、訪れていただこう、福井のそば文化に触れていただこう。そしてそばの生産を奨励していこう。という趣旨のもとで、県からの支援もいただきながら、そばに関連した業界や、生産者、団体、市区町村等々の多くの賛同の基に、福井そばルネッサンス推進実行委員会が、発足されたと聞いております。

そういった皆様方の熱意で今日の「越前おろしそば」が、全国区になってきたのだと感謝しています。

 話が、それてしまいましたが、今年の名人大会は、全国17箇所で行われた予選会から選ばれた精鋭52名が、福井県産業会館の会場で頂点を目指します。

 いつものことながら、選手の皆さんはもちろん、お世話する我々スタッフにも、緊張感がみなぎります。

 北海道・茨城・東京・長野・石川・栃木・兵庫・富山・埼玉・千葉・大阪・広島・群馬・名古屋・京都・奈良・そして東日本大震災に見舞われた福島県からも参戦しての、一大そば打ち名人を競う、ビッグイベントです。

嫌が上でも気分は、昂ぶり身体がこわばります。審査員の先生方もこの日ばかりは、顔が紅潮しているのが解ります。

いよいよ来月(11月20日)が決戦の日です。皆さんこぞってお越しください。新そばも楽しめます。

福井の蕎麦街道を訪ねてみよう。

福井は、昔に比べて随分蕎麦の栽培が増えてきました。 

減反政策の影響も、あったかも知れませんが、そんなこととは関係なく、もともと越前という土地柄は、そばの旨い地域であったことは古い文献からも窺い知る事ができます。 
 

今日は、これから秋の行楽季節に向けて、とっておきの「蕎麦の花探訪」ドライブコースを、紹介したいとおもいます。
 
福井駅を起点として、突然三国の東尋坊へ、一足飛び。そこからスタートして、まずは、坂井平野を、横断して永平寺に向かうまでの田園ルート。

道路の両側に点在する蕎麦畑。天気が良ければ澄んだ青空と白い花の対比が、とても気持ちを、はずませてくれます。

永平寺についたら、山門に着くまでの(仲見世)売店に何軒かのお蕎麦屋さんがあります。
おろしそばなど楽しんでみてください。
そして次は、永平寺から勝山市へ向かうルートですがこれは新しくできたバイパス(東海北陸自動車道)は、利用せずに、敢えて九頭竜川沿いを通る418号線(勝山街道)を走りましょう。

白山からの伏流水が集まり、越前地方の蕎麦育成に多大な恵みを与えてくれている九頭竜川は、雄大かつ清々とした景色に心が癒されます。
勝山市に着いたら、大野迄のこのあたりは、奥越地方といって、福井の一大蕎麦産地であります。郊外に出ればいたるところで、蕎麦畑が観察できます。
とにかく、空気が澄んでいるため、お腹いっぱい深呼吸を繰り返し体の新陳代謝には、とてもいいです。
そして、時間があれば、六呂師高原迄足を延ばしてみては如何でしょうか。 
大野盆地が一望に見渡せ また牛の放牧なんかも 見学できるかも知れません。
 
あとは、別のコースで美山・池田・武生・今庄といった蕎麦どころを辿るルートもありますが、このコースは又、日を追って紹介することにします。

暑い時期には、ざる蕎麦が 一番です。

9月にはいっても暑さだけはのこりますね。
私どもの仕事は肉体労働が主ですから、まさに身を粉にして体を、動かしていると、時々眩暈がするときがあります。
そんな時は、低温の効いた原料倉庫へ体を冷やすべく 一時休憩にはいります。
暑い時期には、なにかあっさりしたしたものが、食べたくなりますね。
そんな時には、やはりつめたいざる蕎麦と、キュット冷やしたロック酒!  クー・・・・・・・!
たまりません。

早く新そばがでないかなー?

蕎麦の粉挽き屋 

粉屋のおやじが、新たにブログを始めてみたいと思いました。

蕎麦のことはもちろん 徒然に思いついたことを書きつずっていきたいとおもいますので、
どうぞ宜しくおねがいします。

なにぶんこういったネットの世界には 全くの素人なので どこまでやれるか未知数なのですが頑張ります!