一日の仕事を終え、腹をすかせて家にたどり着いた時、生蕎麦があったりすると、飛び上がらんばかりの嬉しさである。
さっそく大鍋にたっぷりのお湯を沸かし、そばを茹でる。だし汁や大根おろしを準備し、「おろしそば」にとりかかる。
挽きたて、打ちたて、茹でたての三たては、そばをおいしく食べる三要素。
旨いものにありつこうとする時は、疲れた身体もなんのその。調理の時間がもどかしいくらい体が良く動く。
できあがった蕎麦に、おろし汁・刻みねぎ・花かつお等をたっぷりかけてズルズルと口に、かき込む。
蕎麦の香りと口に拡がる古里を思わせる様な風味が、パアーー!!と、脳天をつらぬく。至福の瞬間である。生きてるって素晴らしい!(少々おおげさ。)
家族が寄ってたかって蕎麦に、舌包みをうったときに限って、もっと蕎麦が欲しくなるものだが、そんな時程、充分に用意はしてないものだ。
お腹がまだ、納得してない時、そんな時私は、余った汁を、温かい御飯にかけるのだ!ひとよんで「蕎麦汁ぶっかけ飯」。誠にもって爽快で、簡単で、そのうえ大変おいしいのである。