フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥

初めてのフランスで初めてのブルターニュにやって来て、僕はブルターニュのガレット文化の奥深さとブルターニュに住む人々の食文化に驚きを隠せませんでした。というのも、ブルターニュの玄関口レンヌからレンタカーに乗り換え、サン=マロへ向かう途中の大型スーパーに立ち寄った際に衝撃の光景を目の当たりにしたのです。

▼ブルターニュの大型スーパー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼食品売り場
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
まず、いきなり驚かされたのが、入り口入ってすぐのコーナーにサンドイッチやデザートパンに紛れて三角のおにぎり型に包まれたガレットが売られているコーナーがあったことです。注文すると紙に包まれた商品を手渡しでもらえてイートインコーナーで食べることができます。

▼テイクアウト専門のワンコーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
次にメーカーの異なるガレット生地だけの商品や具材が包んであって温めて食べる商品など、ガレットだけを取り扱うコーナーがしっかりと設けられています。

▼ガレットの生地だけを取り揃えるコーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼ブルターニュ産そば粉を使用したガレット生地
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥日本ではそば粉や生そばが産地表記されてスーパーで販売されていても第3者機関などが中身まで深く調査することがないので、どうしても疑念が浮かんでしまいます。しかしフランスを始めヨーロッパ諸国はトレーサビリティに関して非常に厳しく管理されていますし、ましてBioになれば行政や組合などさらに厳しい審査機関によって管理されています。また製粉所に関しても社長や会社の意図で製造を行うことはできないようで、クライアントや管理機関の指示通りに決められた量の製品を製造するのだそうです。

▼BIO認定のブルターニュ産そば粉を使用したガレット生地
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
▼電子レンジやフライパンで温めるだけの具材が包まれたお手軽ガレット
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥▲左:ソーセージガレット/右(2種類):ジャガイモとリンゴのガレット、ベーコンと玉ねぎのガレット

▼左:エメンタールチーズとハムのガレット/右:ソーセージガレットと塩キャラメルクレープのセットフランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
そば粉、生地だけ、加熱前のもの、今すぐ食べるものなど、TPOに合わせて色々なガレットが手に入るブルターニュでは、毎日何かしらのガレットを食べると言う人も珍しくないようで、ガレットがあまりにも身近で人々の生活にグッと密着しているような気がしました。

▼最新のガレット&クレープ焼き器(流れ作業のようにガレットが出てくるそうです)
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
粉類コーナーも充実。
そば粉だけでもメーカーの異なる製品が10種類近くあり、小麦粉も同じくメーカーの違うものが20種類以上あって、大型とはいえ地元密着のスーパーでこれだけの品ぞろえがあるってすごいなぁーと驚きの連続でしたが、よく考えてみれば日本で言うところの産地や品種ごとに並べられたお米みたいなものですから、パン文化の国としては当たり前といえば当たり前ですね(笑)

▼粉類(Farine)コーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
そば粉に記載してある「Farine de blé noir de Bretagne」という文字列は、「ブルターニュ産そば粉」という意味です。Farine=粉/blé noir=ソバ(直訳すると黒い小麦。”Sarrasin”が一般的ですがブルターニュではソバを指します)/de Bretagne=ブルターニュの(ブルターニュ産)

観光客向けにブルターニュ土産コーナーもありました。
地元産を使用したガレットやクレープ、ブルターニュの国旗が刻印された焼き物、旗、ステッカーなどなど、妙にそそるものばかり(笑) ブルターニュ地方ではコカコーラやペプシコーラよりメジャーだと思われるブレッツコーラなるものもありました。

▼ブルターニュ産直コーナー
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥
それからさすがブルターニュ!と思ったのは、家電コーナーに当たり前のように売られている色々なガレットパンを見た時です。おもちゃみたいな簡易版から本格的なもの、1度に2枚焼けるものやガレットを焼きながら隣で調理もできるような複雑なものまで本当に多種多様。日本ではまず手に入らないものばかりなので、重さが気にならなければ1台買って帰りたい!と思ったほどです。
価格は3,000円~50,000円とかなり開きがありましたが、価格の差は機能やクオリティの差という感じで、自宅でもプロさながらのガレットが焼けそうな気がしますよね。

▼家電コーナー売られているガレットパン
フランス・ブルターニュ地方は、ガレットが食文化として人々の生活に溶け込んでいる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察⑥

ガレット以外にもまだまだ書ききれないほど、このスーパーには驚きが詰まっていましたが、トレーサビリティの事に関しても福井の越前そば文化はもとより、日本の蕎麦文化よりもブルターニュのガレット文化の方が食文化として根強いんじゃないか・・ということを考えさせられました。

ブルターニュで栽培されたオーガニックのそば粉を使ったガレットがいつでもどこでも、手軽に食べられて本格的に作る事もできる。ブルターニュの住民の生活の”そば”に「そば」がある。たった数時間でしたが、非常に興味深い体験のこのスーパーでさせてもらった気がしました。

さて、いよいよ次回はフランス・ブルターニュに来た最大の目的である、ブルターニュ産そば粉の製粉工場を視察します。ブルターニュとソバとガレット文化の本質を知り、日本のガレット文化との違いを探るのですが、実はフランスに着いた段階ではどこのアポイントも取れておりませんでした。

というのも、今回の渡仏はちょっとしたご縁から突然に決まったことで、とても工場見学のアポイントを取れる時間がなかったのです。僕たちもそうですけど、どこの馬の骨か分からない外国人がふらっと現れて、そう易々と工場見学など受け入れてくれる製粉所はありません。
パリでのイベントの時、フィションさんにファティゲ製粉所へのアポイントを取っていただいたのですが、当日になって訪問することが出来なくなり、かといって強行突撃したところで怪しまれて終わりです。何より失礼ですしね。

そこで、まずはブルターニュで有名なガレット店であるバン・ド・ブルターニュのCrêperie La violetteさんにて食事することにしました。パリで食べるガレットよりも生地の香りや味が強く色も濃い。蕎麦で言うなら田舎そばな感じでとても美味しかった。シェフに日本からガレットを勉強しに来たということ、ブルターニュのガレット文化について、そば粉の挽き方や品種など、色々な質問をさせていただいて、最後に今から見学させてくれる製粉所はないでしょうか?と質問したら、なんとその方はブルターニュ製粉組合の会長さんで、僕たちの熱意を汲み取っていただいたのか、すぐに数件の製粉工場へ連絡してくださることに。それが今回、視察を受け入れてくださったところです。

数分後、アポイントを取ってくださり、念願のブルターニュ産そば粉を製粉する工場を見学させていただけることになりました。


このブログでは、福井のそば粉屋として専門的な分野から、プロの話や技術、製法、栽培に関してなどをご紹介していきます。ガレット店の紹介や文化、観光に関しては以下のブログをご覧ください。
本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

加賀 健太郎 について

創業130余年 福井県産石臼挽 越前そば粉製造元の6代目です。幼少より粉の挽​ける音を聞き、目で見て、石臼が磨り減ると​共に成長しました。創業より受け継いだそば​粉づくりへの想いを繋ぎます。 加賀健太郎のGoogle+プロフィール
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