ブルターニュの大型スーパーには、とにかくさまざまなガレット用のそば粉が陳列されていました。
「Farine(ファリーヌ)」というのが粉類全般を指し、そば粉は「Farine de Sarrasin」、小麦粉は「Farine de blé」です。
で、おもしろいのが、ブルターニュではソバを指すときに「Sarrasin」ではなくて「Blé noir」という表記が多く使われているんです。「Blé」とは小麦、「noir」は黒いという意味で、いわゆるソバは「黒い小麦」という表現なのです。パリのスーパーではほぼ「Sarrasin」だったので、ある意味「Blé noir」と書かれているそば粉は、”ブルターニュ産である”という一つの差別化になっているのかもしれませんね。
パリで買い求めた、TREBLEC社のFarine de Sarrasinを使って日本蕎麦を打っていただきました。産地はフランス産と外国産のブレンドで1㎏入り3.8EUR(約530円)となかなかお手頃価格。
当然ながらガレットを作るために栽培・乾燥調整・製粉されているので、そば粉自体の含水率は日本のそば粉に比べて低くいです。また、このそば粉に関しては石臼ではなくロール製粉で、そば粉の質感がサラサラとしていていかにも繫がりにくそうだったのでつなぎ粉には強力粉を使っていただきました。フランスでガレットを作るために製粉されたそば粉にしてみれば、まさか生そばにされて茹でられるとは思いもよらなかったでしょうね(笑)
水回し、こね、菊練り、手のし、丸延し、本のし・・と、どこかで切れたり割れたりするんじゃないかと思っていたんですが、このガレット粉に関してはすごく打ちやすかったそうです。麺線もご覧の通り、細く美しい。
ガレットに使われるそば粉は全粒タイプだから、色が濃さは写真からでも十分伝わってきますし、ガレット粉でもこうやって日本蕎麦に十分使えるっていうのが興味深いですよね。
さて、問題は味です。
早速、湯がいて盛り付けてみました。
田舎風で表面につやがあって実に美味しそうなビジュアル♪
香りは、そばの鮮烈なものよりも過乾燥による香ばしさに近いものを感じました。食感は打ちたてでは水分が粉に十分に回っておらず、乾麺を食べているかのような感じ。しばらく時間を置いてから食べると生めんの食感がでてきましたね。
実際に日本で通用するかというと、問題ないと思います。というよりとてもおもしろくて興味深い!
フランス産やブルターニュ産の一つの個性として捉えれば、全然ありですし、きっと蕎麦好きにも受け入れてもらえるんじゃないかと思います。
そば粉がそば粉なので、日本風の出汁ではなくて、洋風にしたらばっちり合いそうな気がしますし、バターやオリーブオイルを使ったソースとの相性はむしろ日本のそば粉よりも合いそうな気がします。
今後、弊社ではブルターニュ産のそば粉を取り扱う予定でおりますので、興味津々の方々からのお問い合わせを楽しみにしております(笑)