パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。│ガレット(Galette)に触れるフランス視察②

フランス視察2日目。
今回はフランスに来て本場のガレットを焼く工程を見た感動とこのガレット通りの雰囲気をお伝えします。

モンパルナス駅から徒歩5分ほどのところにあるモンパルナス通り(通称:ガレット通り)は200mほどの直線道路の両側に30件以上のクレープリーが立ち並んでいます。お昼時はどのお店もほぼ満席。列がついているお店もちらほら見受けられます。

ガレットの有名店であるジョスラン(La Crêperie de Josselin)もありましたが、あいにく訪問した日はお休みで入店できず・・残念。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。

モンパルナス駅周辺の通称「ガレット通り」とは?

まず、そもそもなぜモンパルナス駅周辺にガレット店が多いのかと言うと、ブルターニュからやってくる列車がモンパルナス駅に着くからで、約20年前にブルターニュ地方からガレット文化がやってきてクレープリーとして店数が増えて行ったそうです。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。

ガレット通りとはよく言ったもので、本当にたくさんのクレープリーがあり、お隣同士ずっと連続してクレープリーが並んでいる箇所もあります。当然、お店ごとにメニューが違えばシードルの種類も違います。

こちらは黒と白のブルターニュカラー。日本でこういった配色の店構えはあまり良い印象を受けませんが、外壁と木が上手く調和して高級感がありますね。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。向こう3件クレープリーです。お店ごとにカラーがあってそれらが喧嘩することなく、街の外観に綺麗にマッチしているのがいい感じですよね。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。真ん中にある空色のお店は、創業は1937年のNo.56 La Crêperie Bretonne というクレープリーで、下の動画のようにガレットを焼いている姿を外から見ることが出来ます。本場のクレーピエの仕事が間近でみれるのは嬉しいですよね。
こちらでは3台のガレットパンをフルに使って、流れ作業のように次から次へと無駄のない動きでガレットが焼かれていきます。奥の2台でガレット焼き、手前の1台で具材を調理したり仕上げの過熱を行っています。目を奪われる見事な仕事です。

フランス人はバターの香りが大好きだと聞いた通り、生地にも具材にもバターをたっぷり使います。パリッとした食感はバターやラードなどの油脂による効果と鉄板の温度によるところが大きいようです。4隅を折った時のパリッと感が伝わりますか?美味しそうでしょう。

Crêperie(クレープリー)は高コスパな庶民のレストラン

ガレットやクレープを提供するクレープリーのライバルは、同業他社ではなくて12EUR~15EUR(2,000円前後)の同じような価格帯で食事ができるパン屋やファストフード店なんだそうです。サンドイッチ類とコーヒーのセットで2,000円前後が一般的なパン屋やファストフード店に比べて、クレープリーの場合、シードルから入ってガレットとデザートにクレープ、食後のコーヒーまで楽しんで高くても3,000円ほどと非常にリーズナブルということで集客があるとのこと。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。

逆に1枚2,000円を越える高級ガレットを作る方法はオマールエビやフォアグラ・キャビアなどを使えばいくらでもできるそうですが、そもそもガレットという食べ物自体がブルターニュで生まれた庶民の食文化であり、高級食材をふんだんに使ったところでその対価はなかなかもらえないし、メニューにあっても誰も選ばないみたいです。安くて田舎臭い食べ方が一番美味しいんだと思いますし、食材の値上がりに伴う商品の値上げやメニュー作りはどの国でも難しそうですね。

こちらのお店では何のペーストか分かりませんが、緑色のソースの上に海老とジャガイモが乗せられていました。どのお店を見ても美味しいそうで独自性があって入るお店に困る困る・・。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内の通称ガレット通り(モンパルナス通り)のLa Bigoudenneは、パリ市民憩いの人気店。

フランスのそば食文化は日本以上!?

フランスに来て最初に驚いたのは、フランスではスーパーや個人商店に限らずそば粉がどこでも手に入るという点です。フランス国内には小麦やソバの製粉工場が50か所以上あるそうで、ヨーロッパ全土に供給しているだけあって、陳列されているそば粉のメーカーがスーパーごとに異なり、フランス滞在中に同じメーカーのそば粉はあまり見かけませんでした。

これはある意味では日本よりもそば食文化が定着しているということでしょう。食べ方は専らガレットだそうですが、小麦粉の代用として色々な料理に使われるようです。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。
また、このように焼かれたガレットの生地もスーパーによっては売られていました。
自宅でガレットを生地から焼くのは大変ですが、こうやって手軽に好きな具材を包み込んで食べれるのはいいですよね~

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。さらにさらに、これは温めるだけのガレット。
すでにチーズとハムなどの具材が包み込まれている状態なので、フライパンで軽く焼いたりレンジでチンして食べられるようになっています。

ガレット(Galette)に触れるフランス視察②:パリ市内のガレット通り(モンパルナス通り)に立ち並ぶクレープリーを感じる。

福井県民100人に好きなそば屋さんを聞くと100通りの答えが返ってくると言われますが、パリ市民も好みのクレープリーとかを言い合ってそば談義とかしてるんでしょうかね。色々と想像が膨らみます。

次回はいよいよ福井県産とフランス産のそば粉でガレットを食べ比べていただくイベントについてお伝えします。


このブログでは、福井のそば粉屋として専門的な分野から、プロの話や技術、製法、栽培に関してなどをご紹介していきます。ガレット店の紹介や文化、観光に関しては以下のブログをご覧ください。
本場のガレットを求めて‐フランスブルターニュ訪問記

加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
カテゴリー: ガレットの本場‐フランス・ブルターニュ視察 タグ: パーマリンク