幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。

信州松本駅から車でおよそ5分。
住宅街にあるマンションの1階に「幻の在来蕎麦が食べられる」という信州そば処島むらさんがあります。
11時過ぎに3台ある駐車場に車を入れたらその後ろを走る車も同じ駐車場に入ってきたので、開店早々来ないと蕎麦切れになってしまうんじゃないかと思いました。暖簾の山吹色と木の扉が何とも良い色合いで胸の空くようなお蕎麦に出会えるんじゃないかと入店前からいい気分です。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。

店内は部屋をお店にしたような感じなので、こだわりのそば店によくある純和風の緊張感みたいなものを感じません。変に肩ひじ張らず幻の在来蕎麦を堪能できそうです。
席数はカウンター4,5席と小上がりのテーブルが4つ。15人くらいで満席になる感じです。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。

幻の奈川在来種を、栽培から自家製粉手打ちまで一貫して行うというこだわり

こちらはの蕎麦は、地元でもほとんど収穫されていない希少な「奈川在来種」を店主自ら栽培-収穫し、自家製粉してご自身で手打ちして提供しているというから驚きです。

メニューは冷たいざるが並と大盛り、温そばもかけ蕎麦に海苔を散らした「花巻そば」の他におろしそばととろろそばといったとてもシンプルなもの。純粋に蕎麦を存分に楽しんでもらいたいという気持ちが伝わってきます。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。

信州のそば店ならではの心配りとサービス

以前から信州で蕎麦をいただく時に非常に良いサービスだなぁと思っていたのが、席についた時とか、お蕎麦が提供される際に小皿に盛られた1品が付いてくること。野沢菜や地元野菜の炊き合わせなどお店によって様々なんですが、これがあるだけで蕎麦が多少遅くても待つ時間が苦にならない。むしろ、待つ時間さえ楽しめます。こういうサービスは福井にはないところだなぁとじんわり思います。

島むらさんでは山芋の醤油漬けでした。
外側から3ミリほど醤油が浸透した山芋はシャクシャクとした食感が心地よく、少し甘めの醤油が山芋の土の香りを引きたててる。塩気もちょうどいいしお茶と一緒に味わうと実に満足してしまいます。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。
ざるそば(750円)

さて、お待ちかねの奈川在来種のざるそばです。
丸抜きベースに玄そば1,2割ブレンドして挽いたような色合いのお蕎麦は、透明感とほのかなホシが飛んでいて涼しげ。若干柔らかめな茹で具合でしたが伸びているという感じではなく、蕎麦を噛むと程よく歯を受け止めつつプツッと切れる食感がいい感じでした。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。

個人的にはもう少し固めの茹で加減が好きですが、これはこれで島村むらさんの、この奈川在来の、蕎麦の美味しさを味わうに適した加減なんでしょう。それから何と言ってもそばつゆが美味しかった。ネットでは「甘め」と書いてありましたが僕は辛めに感じて、今回回ったそば屋さんの中では一番好みの味でした。

幻の在来蕎麦が食べられる信州そば処島むらは、栽培から自家製粉手打ちまで一貫作りにこだわったお店でした。
花巻そば(600円)

お次は花巻そば。この時期に温そばを頼む奴なんていないんでしょう。
注文が入った時に厨房から「花巻?(この時期に?)」みたいなリアクションがありました笑

小さめの器に海苔がかかったかけそばです。出汁の香り、海苔の香り、薬味のネギの香りが食欲をそそり、さっき食べたざるそばはすっかり忘れてじっくりと味わいました。出汁の温度が高かったので、蕎麦が伸びてしまう前に・・な感じで早めに食べて終え、切れ切れになって底に沈んだ蕎麦の切れ端を箸ですくって食べるのが結構好きで、最後まで楽しく美味しくいただきました。

信州ではほとんどが信濃1号を使っていると聞きますが、奈川在来の蕎麦が食べられるお店はそうありませんので、蕎麦っ喰いの方、行かれてみてはいかがでしょう。

ごちそうさまでした。

[信州そば処 島むら]
〒390-0221 長野県松本市里山辺4030−1
TEL:0263-50-5453

◆営業時間◆
11:00~15:00

◆休業日◆
毎週水曜日

◆駐車場◆
3台

[6月30日(火)]
玄そば産地:福井県大野市産(早刈り品)、坂井市丸岡町産(早刈り品)、吉田郡永平寺町産(完熟品)

天気:曇り
石臼工場内室温:12℃
石臼工場内湿度:53%
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加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
カテゴリー: 蕎麦・うどんの食べ歩き タグ: パーマリンク