おはようございます!
僕がお世話になっている書道教室で、「尊敬する著名な方にお手紙を書く」という課題をいただきました。
手紙を書いたら先生がお手本を書いてくださって自分で清書するんです。気が遠くなるような課題でしたが、こういう機会がない限り著名な方にお手紙を書くなんてことはないので、楽しむつもりで取り組みました。
僕がお手紙を出したい著名な方は道場六三郎さん。
なぜ、道場さんなのかというと、僕は小学生のころに大好きで尊敬してやまない4代目の祖父を病気で亡くしました。祖父は強く、周りから親しまれ、そば粉屋の職人としての信頼も厚く影響力も高かった。そんな人間になりたいと思っていた人がある日突然いなくなってしまった。
それ以来、小学4年の僕は将来の目標や目指すべきものは何かということがだんだんわからなくなり、日に日に多感になっていくという大切な時期に今後どう過ごして行けばいいのか不安定な状態になっていきました。
そんな時ですね、テレビの料理番組で道場さんの姿を見たのは。
道場さんの料理と対峙する姿勢、おしながき書くときの眼差し、立ち居振る舞い、言動などなど、祖父は料理を趣味としていたこともあり、道場さんの姿に衝撃を受けたことを今でも覚えています。いつしか僕は道場さんに祖父の姿を重ね、自分の将来について前向きに考えられるようになりました。
この想い、この感謝の気持ちを伝えるには絶好の機会をいただくことができ、先生のご指導をいただきながら1ヶ月かかって1枚の越前和紙にしたためました。
ペンだと何も考えずにあっという間に書き上げてしまいますが、筆だとそうはいきません。しかも半紙ではなく和紙。墨の吸い込み具合が全く違うのと筆の運びに抵抗があり、一文字書くのに筆の墨が持たないこともあります。加えて文字の量。想いが強いだけに半紙4枚のボリュームになってしまいました。
何日も練習を重ね、先生からアドバイスもいただきながら、同じ細さ、等間隔、文字の流れにも注意しながら、一文字一文字心を込めて清書を書き上げること1時間。何とか仕上げることができ、1枚の手紙を巻物のように包んで「道場さんに読んでいただけるように・・」という想いをこめて投函しました。
それから1週間。
一通の封筒が届きました。
差出人は何と道場六三郎さん。
あまりの驚きにポストを一回閉めたくらい(笑)
妻とともに喜びと感動を分かち合い、恐る恐る開封しました。
テレビで見慣れた字体で書かれたお手紙に体が震え、「料理人 道場六三郎」との名前と「六」の落款に感動し体が痺れました。
手紙の中に「生涯勉強ですから頑張ってください満せ」と書かれており、83歳を過ぎてもなおこの姿勢の道場さんの謙虚さには頭が下がりますし、僕もそうあり続けたいと感じました。
また、自分の名前を書いてくださっただけで光栄でしたが、それ以上に僕の手紙を読んでくださったことが何より嬉しかったです。直筆の手紙ってこんなにも力があるのかと改めて感じました。これからもできるだけ手書きで、しかも筆文字で気持ちを表現していきたいと感じましたし、とてもいい勉強、経験をさせてもらったこの書道教室に感謝しています。
ありがとうございました。
[8月6日(水)]
玄そば産地:福井県大野市産(早刈り品)、坂井市丸岡町産(早刈り品)、吉田郡永平寺町産(完熟品)
天気:曇り
石臼工場内室温:29℃
石臼工場内湿度:42%
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