おはようございます!
今朝からまた雪が降り出し、体の芯から冷えるほどの寒さが戻ってきました。
そばは熱に弱いため暖房設備を設置していないカガセイフン石臼工場も冷え切って冷蔵庫より低い温度になっています。
寒さのあまり筋肉が強張って体は柔軟に動きませんが、自然の冷蔵庫と化した今のこの環境で挽くそば粉はしっとりとした挽き上がりでとても良い状態です。玄そばも追熟して香ばしい香りが出始めているので、この1月~3月くらいが完熟そばの食べごろです。よろしければお試しください。
福井県民に美味しいそば屋さんを尋ねれば、100人が100人とも違うお蕎麦屋さんを挙げるというほど県民の蕎麦へのこだわりや想いは並々ならぬものがあるというお話はこのブログでも何度か書きましたが、お蕎麦屋さんも同じように100店あれば100店とも違うそば粉を使っています。それだけそば屋さんのこだわりやご要望も強いので、私たちは色々なご意見をいただきながら産地はもちろん、挽き方、粒度、色味などを日々調整してそば粉を製粉しております。
下の写真は関東のお店に納品させていただいているオリジナルのそば粉の挽く前の丸抜きの状態なのですが、このそば粉ができるまでをちょっとご紹介したいと思います。
新規開業されるそば店の店主から初めてお問い合わせいただいたのは3年前。
そば粉に求める条件や食感・香り・色味などの性質がとても厳しいもので、弊社で出来るかどうか分からないほど課題が山積みの状態でした。「できない。」と言ってできない理由を並べる方が楽でしたが、後学の為にも僕の中にぜひ挑戦してみたい、難しいからこそこの人に納得してもらえるそば粉を作ってみたいという想いがありました。
それ以後、ご要望やイメージをお聞きしながら産地、ブレンド割合、挽き臼、挽き方などを幾度となく変えながら試行錯誤を続け、実際に出向いたり、また来福いただきながら約1年かけてようやくまずまずの反応をいただけるようになりました。
産地は季節によって3種類ブレンドします。
「永平寺町産完熟そば」でそばの味を強くし、「丸岡町産早刈りそば」で華やかな香りと青みを出す、そして「茨城県産の常陸秋そば」で独特の食感を出します。
このそば粉に関してはこの石臼でしか挽けない(この石臼が適していた)ので、単一でブレンドした丸抜きを挽いていきますが、一度に何十キロものそば粉が挽けるわけではありません。この回転数も試作の中で決めており、1日に20キロほどの生産能力です。
いつも同じように挽いていても、産地ごとの粒の大きさや工場内の環境、石臼のコンディションによってそば粉の状態は微妙に変化します。色々な微差を感じ取り同じようなそば粉をお届けすることが粉奈屋の腕の見せ所。ちょろちょろと出てくるそば粉はとても尊いのですが、美味しくお召し上がりいただいているお客様の顔を想像しつつ、小さい家族経営のそば粉屋だからできる仕事、役割があるという気持ちで日々、頑張っています。
今日も挽きたての越前そば粉をご用意しております。
ありがとうございます。
[1月22日(水)]
玄そば産地:福井県大野市産(早刈り品)、坂井市丸岡町産(早刈り品)、吉田郡永平寺町産(完熟品)
天気:雪
石臼工場内室温:3℃
石臼工場内湿度:62%
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