おはようございます!
先日に引き続き、ちょっと変わった挽き方で製粉した新そば粉を打ってみました。
今回のテーマは強烈な”色み”と歯応えのある”食感”です。今年の早刈り新そばは色味がきれいなので、この色味を前面に出した茶そばのようなイメージしました。
今回のそば粉は前回のよりも手ごわかった!
末吉の越前蕎麦粉オンラインショップでも販売している粗挽きそば粉は、細かい粉から粗い粉まで混ざった状態のそば粉なので、細かい粉が粗い粉の間に入りこむことで蕎麦を繋ぐ効果が生まれていますが、今回のは全体的に粟のような粒が主体のそば粉を打とうとしたので、上手くつなぎ合わせるためにどうするか考えながら製粉しました。
石臼で挽いたそば粉を篩い分けると、一回目の挽きでは挽ききれなかった粗粒の粉が篩に残ります。これを「オバ」とか「さなご」「ふすま」と呼んで、もう一度石臼で挽いたり、そば粉にブレンドして食感やホシを浮かばせたりするのですが、このオバの部分は蕎麦の実の外側、粉になりにくい甘皮部分で、香りや旨みがギュッと詰まっているところなんです。今回はこのオバを主体に打ちます。
早刈り新そばの甘皮部分だから、当然、青々としていて挽けば青みと旨みが凝縮された粉が得られるわけですが、この粗粒のオバを主体として、粗粒をつなぎ合わせるために細かく挽いたそば粉を合わせた10割打ち。
そばの状態を確認しながら6回ほどに分けて加水を行いました。
手水に入ってもなかなかまとまる気配がなく、しっとりしてきた段階でこね鉢に押し付けて水分を生地に押し込むような感じでこねた結果、なんとかまとめ上げることができました。
加水率は通常の銘柄の場合、43%~45%で十分つながりますが、前回に引き続き今回の粗挽きそば粉も53%も入ってしまいました。
しかし、見事な緑色です。実際は写真でみるより、もっと緑が際だっていて早刈り新そばの香りがプンプンします。この感動は打ち手にしか味わえない醍醐味でしょうね。
当然、のしでは割れやすく、切りもブツブツになってしまうので、やさしく太目に切りました。
生の状態では鮮やかに発色していたんですが、茹でてしまうとその色味が失われてしまうのが何ともさびしんです。
ツユは大根の搾り汁にカボスを添えて、米五の味噌のかけ醤油をひとまわし。
噛むほどにそばの香りと旨みが広がって、挽きぐるみの蕎麦をもっと濃く頑丈にした感じの味わいと食感。また大根の辛さとカボスの香りが後引くんです。
これには田辺酒造の越前岬を合わせます。
どっしりとした旨みと爽やかな後味が味の濃い太打ちの蕎麦にめちゃくちゃ合います。
最高に楽しい食事でした!
またやります。
11月17日(土)、18日(日)は、2012 ふくい新そばまつり&第17回 全日本素人そば打ち名人大会が福井県産業会館にて行われます。
県内産地の新そば食べ比べ、そば打ち教室、福井県産直売所、地魚・若狭牛テント市など、たくさんのイベントも同時開催されますので、皆様のご来場心よりお待ちしております!僕たち粉屋のスタッフは選手や裏方のお手伝いをしておりますので、気軽にお声掛けくださると嬉しいです。
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※早刈りそばは、12月末までの限定販売となります。お早目にご注文ください。
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[11月12日(月)]
玄そば産地:福井県大野市産(早刈り新そば)、丸岡町産(早刈り新そば)
天気:曇り
石臼工場内室温:15℃
石臼工場内湿度:68%
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福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝
挽きたて越前そば粉の通販やお取り寄せは、オンラインショップの末吉の越前そば粉をご利用ください。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
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