福井県美山町味見河内地区で行った「焼畑でそば作り交流会」の活動が福井新聞[2019,5,10]に掲載されました。

福井県美山町で行った「焼畑でそば作り交流会」の活動が福井新聞[2019,5,21]に掲載されました。

焼き畑でソバ「うまくなる」

福井の団体 いわれ検証 成分検査で推察

ソバは焼き畑で育てるとうまい-。
そんな仮説を検証しようと、福井市味見地区河内町の山中の焼き畑でソバ栽培に取り組む市民グループ「焼き畑でそば作り交流会」が、取れた実の成分検査を県食品加工研究所に依頼。焼き畑産のソバは平地産に比べてタンパク質の割合が高く、甘皮部分が多く含まれるため風味や香りが強いと推察できることが分かった。

交流会は、「焼き畑で作ったそばはおいしい」とのいわれを実際に確かめていようと、会長の由田昭治さん(76)ら県内そば愛好家が2016年に結成。焼き畑で伝統野菜「河内赤かぶら」を生産している川北強さん(70)の協力で斜面の畑を借り、在来種のソバ作りに挑戦している。

焼き畑は、獣害や天候に左右されやすいため、並行して集落内の平地でも栽培。毎秋の収穫祭で参加者が食べ比べると、やはり焼き畑産の評価が高かった。データの裏付けも求め、昨秋に焼き畑産と平地産のそば粉の検査を県食品加工研究所に依頼した。

甘皮多く 風味際立つ

検査結果によると、焼き畑産はたんぱく質の割合が13.0%と平地産より2.1ポイント高く、殻と実の間のたんぱく質を含む甘皮部分が多いと推察された。県内では、実を甘皮ごと挽いてそば粉にするのが一般的で、これによって強い風味と香りが出る。甘皮の豊富な焼き畑産は、福井のそばの良さが強調されているといえそうだ。

焼き畑でのソバ栽培は、宮崎県などでブランド化されているが、福井県内では例がない。今回の検査だけで特徴を結論付けられないものの、メンバーは「我々が味わいながら感じてきたことが、数字にも現れた」と自信を深める。由田会長は「福井にはそば通がたくさんいる。焼き畑のそばが高くても売れるような銘柄になっていく可能性はあるのでは」と夢を膨らませている。

川北さんは、ソバ栽培が限界集落の同市味見河内地区町にとっての希望にもなり得ると考えている。「労働の過酷さもあって、赤かぶらの農家は少なくなった。ソバ作りが定着すれば、集落の活気になるはず」。伝統の焼き畑栽培が守られていく意味でも、ソバ栽培の広がりに期待している。

↑記事ここまで


「焼畑でそば作り交流会」というグループが美山町でソバ栽培をしているという事は前々から知っていて、確か2年ほど前に焼き畑栽培のそば粉を少し分けていただきました。その年は豊作だったとのことで収量は上々だったようです。でも、試食をしてみたところ焦げ臭い香りというか畑を焼いた時の灰のような香りがそば粉にも感じられて、畑を焼いた香りがなぜソバ粒にまで移っているのかとても不思議で興味深い体験をしたことを覚えています。

翌年、参加メンバーに加えていただいて焼畑そば栽培とはどういうものかを経験させていただいたのですが、通常のソバ栽培に比べて2倍も3倍も手間がかかり想像以上の過酷な作業の連続に驚きました。年齢の若い僕でもこれだけキツい仕事を僕より年を重ねている味見河内地区の方々は赤かぶらで毎年されていたのか・・と思うと、それはいくら味や品質が他の追随を許さないとしても衰退して止む無しと思ってしまいます。赤かぶら栽培に誇りと自信、そして命をかけていないととても続けられない仕事です。

僕が参加した年の作柄は、前年の豊作とは打って変わって大凶作となりました。播種後の干ばつで種そばが発芽しなかったことが大きな理由。その後、再播種してポツポツと生育したものの、そのころには時期がズレてしまっていたので思うような収穫量は見込めませんでした。しかし、風味や味は前年の焼けた炭のような香りとは別物で、在来そば本来の穀物味というか野趣あふれる味わいが濃く、香ばしく甘い香りも茹で上がった瞬間から一気に鼻に立ち上ってくるというくらい強いもので、本来の作柄の良い福井在来種とはこういうものだ!ということを改めて感じました。

焼き畑そばの高付加価値については大きな期待を持っていますが、昨年、一昨年の作柄のあまりの違いを考えると記事にもある通り今回の検査だけでは特徴を結論付けられませんし、それに必要な過酷な労働をはじめ、自然まかせの作物である以上、どうしても天候に左右されたり作柄が安定しないなど、多くの方に食べていただけるようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。


焼き畑そば栽培に興味がある方へ

焼畑そば栽培を体験してみたいと思っている方、「焼畑でそば作り交流会」に参加してみませんか?メンバーは、30代~70代まで幅広い年齢層で活動しています。
ほぼ全ての栽培工程のが手作業で一つ一つの作業が後の作柄や収量に形になって現れるので、農業とはどういうものか?普段何気なく口にしている蕎麦はどのような実からできているか?という体験型の勉強になります。

▼おおまかな作業スケジュール(7回~10回)
畑焼→ 播種(種まき)→ 獣除け電気策設置→ 電気策立て直し→ 収獲→ 精選・研磨→ 収穫祭(製粉・試食)
※干ばつや台風、長雨などの自然災害や獣害によって、播種や電気策の立て直しの工程を繰り返すことがあります。

▼開催期間
7月中旬~12月中旬の土曜日か日曜日
日程はソバの栽培状況によって都度、決められます。
作業日は参加者が集まりやすい週末が中心で、基本的に自由参加ですので、その日に参加できる方で作業します。自然災害や獣害などによって緊急措置が必要な場合は、参加可能な人員で平日にも作業することがあります。

▼作業時間(1回あたり)
午前中の3時間

▼場所:福井県美山町味見河内地区

お帰りの際には脳卒中に効能があり美肌の湯ともいわれている「伊自良(いじら)温泉」にどうぞ。入浴後は肌がつるつるです♪

▼会費:若干(栽培に使用する資材の消耗品と試食の材料費程度)

▼お問い合わせはこちら→(お電話・問い合わせフォーム

【関連記事】
「焼畑そば栽培2018(前編)」福井県美山町で行った焼畑そばの播種作業。

「焼畑そば栽培2018(中編)」福井県美山町で行った焼畑そばの播き直しから収穫作業。

「焼畑そば栽培2018(後編)」福井県美山町で行った焼畑そばを手挽き石臼製粉して手打ちそばを味わう。

加賀 健太郎 について

創業130余年 福井県産石臼挽 越前そば粉製造元の6代目です。幼少より粉の挽​ける音を聞き、目で見て、石臼が磨り減ると​共に成長しました。創業より受け継いだそば​粉づくりへの想いを繋ぎます。 加賀健太郎のGoogle+プロフィール
カテゴリー: 福井県内に育つそばの様子, 粉奈屋六代目の足あと タグ: パーマリンク