血圧低下作用があるソバの全粒粉(挽きぐるみ・全層粉)の食べ方とACE阻害活性酵素について。

ソバは近年、グルテンフリーやスーパーフードという観点から健康食として認知されておりますが、具体的にどういった栄養素がどのように働いて健康維持に役立つのでしょうか。

先日、福井県食品加工研究所にて『福井県産ソバの血圧低下作用を活かした調理・加工法』の成果発表会があり、ソバの有効な摂取の仕方についてのお話がありましたので、ご紹介したいと思います。

血圧低下作用があるソバの全粒粉(挽きぐるみ・全層粉)の食べ方について。

血圧低下作用のあるACE阻害活性酵素とは?

ヒトはアンジオテンシンⅠ変換酵素(ACE)という血圧を高める酵素を持っており、脂質や糖質、塩分の高い食生活を送っているとこの酵素によって高血圧や糖尿病、動脈硬化などの病気を引き起こしてしまうそうです。その働きを阻害する活性酵素「ACE阻害活性酵素」がソバの主に中層から外層にかけて多く含まれており、このACE阻害活性が高いほど血圧を下げる働きがあるそうです。

福井のそば食文化として「越前おろしそば」があります。そばの実を皮付きのまま挽きぐるみにした全粒粉を使った色黒い蕎麦に大根おろしをおろした汁ごと出汁に混ぜてぶっかけスタイルでいただくもので、福井県民には馴染み深い食べものであり今や全国のそば店でもメニューにあるのではないかと思います。大根おろしに含まれる消化酵素はソバの栄養価をさらに高める働きがあるので、おろしそばを日常的に食べている福井県民が長寿県だということの裏付けができました。

ACE阻害活性酵素を持つ穀物は?

ACE阻害活性酵素を持つ穀物は、ソバ以外に大豆や里芋、大麦、小麦、米などがあります。しかし、最も多く含まれているのはソバと大豆で、里芋はソバ・大豆の90%、大麦は40%、小麦や米に関しては15%と圧倒的にソバと大豆に含まれています。

そば麺の茹でによる成分の溶出と高温による分解について

ACE阻害活性酵素を手軽に摂取するには、そばとお豆腐がいいことは何となく分かってきました。では、それらを摂取する上で注意したい点についてお話します。そばは水溶性の穀物なので蕎麦を茹でると栄養素の約3割が湯に流れてしまいます。なので蕎麦湯を飲むことでソバの栄養素をしっかり摂ろうということなのですが、厳密にいうと鍋のお湯を全部飲まないと・・ということなんです。また、100℃以上の高温にも弱いので、そば粉を使ったクッキーやパンなど、100℃以上のオーブンで加熱するとACE阻害活性酵素の一部が分解してしまうそうです。

麺で食べる蕎麦や焼き菓子が悪いという訳ではありませんが、どのようにそばを摂取するのが手っ取り早く健康効果が期待できるのでしょうか。

ACE阻害活性効果を活かした食べ方について

茹でることなく100℃以下の温度帯で短時間に手軽に調理できるものとしては、そばがき、蒸しパン、そば粥などがあります。そば粉は挽きぐるみの全粒粉がお薦めです。
そばがきは小鍋にそば粉と水を(1:3)で入れて粉っぽさが無くなるまでかきまぜたら中火~弱火でかき混ぜながら練りあげて、好みの固さでお召し上がりください。蒸しパンは米粉や小麦粉をそば粉に置き換えて作っていただければ、香ばしく香り高く仕上がります。そば粥は皮付きのそばの実では舌触りが悪いので、脱皮した実を使って生の状態から調理してください。そばの実と水の割合は(1:2.5~3)。鍋でコトコト炊いても良いですし、炊飯器に入れて30分吸水後、おかゆモードで炊飯してもOKです。

血圧低下作用があるソバの全粒粉(挽きぐるみ・全層粉)の食べ方について。
そばと健康の関係については今まで何となく分かってはいましたが、具体的にどんな栄養素がどのように働くかについてはあまり知りませんでした。また、食べ方も調理の仕方によってもったいない食べ方もあるということを研究をもって説明してくださったので、今回の成果発表はそういう意味ではとても参考になり、勉強になりました。

すでにそば食生活を習慣にされている方やこれからそば食を始めようとされている方にも参考にしていただければと思います。美味しく楽しく健康な生活を送りましょう。

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参考:『福井県産ソバの血圧低下作用を活かした調理・加工法』福井県食品加工研究所 杉本雅俊氏 成果発表より

加賀 健太郎 について

創業130余年 福井県産石臼挽 越前そば粉製造元の6代目です。幼少より粉の挽​ける音を聞き、目で見て、石臼が磨り減ると​共に成長しました。創業より受け継いだそば​粉づくりへの想いを繋ぎます。 加賀健太郎のGoogle+プロフィール
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