不要になった石臼はございませんか。石臼職人育成の為に、使用しなくなったそば粉製粉用の石臼を引取り(買い取り)ます。

福井のそばの収穫量は年々拡大し、今や北海道・信州に次いで3位にまで規模が大きくなり、「そば処ふくい」としての認知度や越前おろしそばの存在も広く知られるようになりました。私どもふくいの越前そばを支えている地元の粉屋として誇りに思います。

そんな中、福井のそば業界は一つの問題を抱えています。

「石臼職人の高齢化による減少」

越前そばを作る為に玄そばからそば粉を得るわけですが、その道具に石臼を使用します。
この石臼をメンテナンスできる職人が年々減少し、今、福井県内にも弊社の職人を含めて数えるほどしか残っておらず、高齢化が進んでいます。

石臼職人を育成したい

石臼を一人前にメンテナンスできるようになるには何十年もの経験が必要です。
メンテナンスとは主に「目立て」と言うもので、製粉により擂り減った石臼独特の文様や溝を新たに彫り起こす作業です。弊社にある様な石臼は採石された年代、石臼を作った職人などによってそれぞれ個性があります。石臼ごとの特徴を生かしたそば粉を挽くために、ちょうな(たたき)という目立ての道具を使って手作業で紋様を見ながら目立てをする必要があります。

石臼は切り出した石の断層、石臼を作った職人のクセ、寝かしの年数などによって個性が出ます。その個性を読み取って必要な個所に必要な目を立てていく必要があり、私たちは自分たちで定期的にメンテナンスしています。一つでも目の立て方が合わないと綺麗なそば粉にならなかったり、粉状にすらならなくなるということも少なくありません。

弊社には30年~100年以上使われている石臼が30台近く稼働しているのですが、すべて一人の職人が作り上げたわけではなく、歴代の石工さんたちがすべて手作業で作り上げたもの。その人の人生や個性が一つ一つの石臼に宿っているんです。そんな個性を読みとって、石臼それぞれに合わせた目立てを行う必要があります。

目が擂り減った分、目立てを行えば今まで通りのそば粉が挽けると言うわけではありません。
目立てをすると削った分だけ石の重さが変わったり、一見同じように見える目でも経験の浅い職人が行うと誤差が大きく以前と全く同じ粉には挽き上がらなかったりします。石臼独特の文様を簡単に彫れるようになるまで最低5年。石自体の断層、摺り合わせ、目の角度などを読み取り、お客様の要望通りのそば粉を挽けるような目立てができるようになるには熟練した技術が必要です。

福井のお蕎麦が美味しいと評価されるのは、そば生産農家さんのノウハウと品質の高さ、収穫から乾燥するまでの品質管理、そば粉屋の石臼挽きへのこだわり、そして県内そば店さんの技など、美味しい蕎麦になる秘訣が随所にある事だと思います。

そういう意味では福井の大切な越前そば文化を守るために石臼のメンテナンスができる職人を絶やさないことが重要です。今のままでは近い将来、絶えてしまう技術と知識を今のうちに若い世代に伝承したい。そのためにはより多くの石臼を見て触って経験する必要があります。

そのために、カガセイフンでは若い職人を育成するためにも、新しい石臼や年数の経過した石臼の目を見ることによって、石臼独特の文様から見える職人の技を後世に残し、越前そば文化を継続し高めていきたいのです。

蕎麦は石臼で挽くとなぜ美味しいのか

「そばは石臼で挽くから美味しい」と言いますが、なぜ美味しいのでしょうか。

それは「石は熱を持たないから美味しく挽ける」わけですけれども、

では、石は熱を持たないからなぜ美味しくなるんでしょうか?

石臼の目によってそばの繊維を切るように粉にしていく過程で、上下の石臼によって擂る効果が生まれます。これによってそば粉に粘りが生まれ、温度が低い状態で製粉することによりそばの鮮度を下げることなく、美味しさをそのままそば粉へ伝えることが出来るからです。

不要になったそば粉用の石臼を引き取ります

お手元にそば製粉用の石臼がありましたら、石臼職人の育成の為に利用させていただきたく思います。

・自家製粉で商売しているが、管理や手間がかかり今は使用しなくなった石臼がある
・今まで使用していた石臼が突然挽けなくなり、新しく石臼を用意したので余っている
・会社(営業店)を廃業し、残った石臼のやり場に困っている
※福井県内でしたら、お伺いさせていただきます。
※小和清水石臼は買い取り対象

私どもは使わなくなったそば粉製粉用の石臼をもう一度、現役で使いたい。もし処分に困っている方がおりましたら引き取らせていただいて、人を育てるように愛情を注ぎ手入れをしてやることで何十年、何百年と使い続けていきたいと考えています。重量のあるものですから、こちらからお伺いして拝見させていただいた上でお引取りいたします。

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【買い取り対象】※すべて条件が合うものは5万円~応相談で買取りします
・小和清水産の石臼である(必須条件) 小和清水産の石臼とは
・石臼の直径が、1尺3寸(約40センチ)以上ある
・石臼の重さが30kg以上ある
・雨ざらしになっていない
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【買い取り対象にならないもの】
・小和清水産の石臼ではない
・石臼の直径が、1尺(約30センチ)以下
・石臼の重さが20kg以下
・雨ざらしになっている
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産地や重さなど分からない場合は、写真をお送りいただいても結構ですし、一度お問い合わせくだされば対応いたします。
お問い合わせフォーム
石臼引き取りの件としてお問い合わせください。

[1月14日(木)]
玄そば産地:福井県大野市産(完熟そば)、永平寺町産(完熟そば)
天気:晴れ
石臼工場内室温:5℃
石臼工場内湿度:58%

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製粉に命をかける五代目社長と、蕎麦が大好きおかみの日記

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加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
カテゴリー: そば粉を挽くための石臼や道具 タグ: パーマリンク