福井市から車で1時間ほど離れた山間の美山町で「焼畑でそば作り交流会」という会に参加させていただきました。美山町はその名の通り、「美しい山」に囲まれた自然豊かな地域で「南宮地在来」という品種のソバを長年、作り続けているところです。
「南宮地在来」は作付面積や収穫量が極めて少ない為、基本的に地産地消で、私ども製粉業者にはまず入ってくることはありません。僕は美山町のそば祭りなどで何度か食べたことありますが、焼畑・天日干しで作られる蕎麦は、香ばしく弾力があってそれでいて喉越しがいい何とも気持ちのいいお蕎麦だなという印象があります。
焼畑栽培は頭では分かっていても実際にどのようにして行うのかということに興味があり、交流会に参加させていただくことになりました。
■畑焼作業(7月29日)
30度以上ある急こう配の一部を消防団立会いの下、畑焼作業を行いました。
木の根やツルなどを切り取り、ソバの生育に影響を及ぼす雑草なども細かく除去していきます。
種そばを播種したら囲いの棒を立てていきます。
山の中とはいえ、真夏の作業なので汗だくでした。
看板をあしらって・・
アニマルトラップを仕掛けます。
ネットを張り巡らせ、アニマルトラップの電力をオン!
2週間経過した圃場の発芽率は思っていた以上に低く寂しいものでした。
というのも、2018年の夏は干ばつが続き、雨が全く降らなかったため、ほとんどの種そばが発芽せず風に飛ばされてしまったり、2週間の間に山の獣や鳥類に食べられてしまったことも影響していると思います。
そこで後日、再播種を行うこととなりました。→中編に続く。
■焼畑農業(栽培)とは?
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焼畑農業とはまず必要な分だけ森を焼きます。そしてその灰により土壌を中性化しまた肥料として作ります。そして2,3年すると養分が少なくなるので別の場所へ移ります。しばらくすると木が生えてその後、森ができます。そして森がもとどおりになった所でふたたび森を焼きます。これが焼畑農業です。