お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会inふくいに参加しました。

残暑お見舞いおはようございます!
まだまだ暑い日が続きますが、お盆休み明けの1週間も頑張って行きましょう。

先週の土曜日は「利き蕎麦の会」に行ってきました。
利き蕎麦の会って何かと言いますと、東京浅草橋にある御清水庵宮川さんで行われている在来種の蕎麦を食べ比べるイベントなんですが、それが今回、6回目にして初の福井県で行われるということで、早速行ってきました。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

場所は越前市にある常安楽寺というお寺。
ここには蕎麦&Pasta和伊屋(わいや)というお店が入っていて、そこが今回の会場。
お寺で利き蕎麦というのもいかにも!って感じがして乙じゃないですか。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会inふくいに参加しました。

今回、聞き比べる在来種は全部で4種類。すべて十割そばです(御清水庵宮川ホームページより抜粋)。

■福井県丸岡町産の【丸岡在来種】:通常より10日ほど早く刈り取った早刈りそば
福井県外に出される事が多い。関東近県の蕎麦屋で人気が高い。つながり易く、練る程に硬く締まる。こちらも今現在は早刈りしか確認できていない。

■福井県福井市永平寺町産の【永平寺在来種:】しっかりと追熟させた完熟そば
その名の通り永平寺近辺に生息する種類。匂いが独特。銀杏の様な臭いさえあるが、茹でてしまえば問題無し。味は絶品。老舗で抜き実が採用される味。

■福井県越前市産の【今立在来種】:地産地消の為、県内でも出回らない品種
旧今立、武生で昔から栽培されている。兎も角、美味しい! お出汁に浸けるのが、もったいない♬ そのままか、塩だけで楽しみたい奥深く、品のある味です。第4回の利き蕎麦の会では「旨い!」と人気No.1でした。

■福井県福井市河合地区産の【キタワセ種】:今年の夏に収穫されたばかりの新そば
春に蒔き、初夏に収穫する新蕎麦! 秋ソバに比べて収穫料が少ない貴重な蕎麦。夏ソバは全国的でも珍しい。いよいよ在来種の宝庫、福井県が取組む新たな蕎麦の息吹を感じて下さい。※在来種ではありません

順に出てくる十割そばがどこの産地の在来種なのかを利き比べるなんてなかなかできない経験ですから、じっくりと味わって風味や甘みを確かめます。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

まずは1番目の十割そば。
中間色に挽き上げられた蕎麦はホシが若干残ってツルツルとした食感とモチモチ感があります。
噛むとほのかな香りと十分な甘みを感じました。1発目なのでまずはしっかりこの味を確認します。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

2番目の十割そばです。
1番目よりはちょっと色が濃くてツルツル感は弱くなったけど、噛んだ時の甘さが強い。
熟した香ばしい香りも出てて塩と食べると美味しさが引き立ちます。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

3番目は紅一点、白っぽい10割そば。
色は4種類の中で一番白く、華やかな香りと上品な甘みが際立つこのお蕎麦は、弊社でも工場でそば粉を挽くときに感じる香りと同じもので僕はピン!ときました。これは丸岡町産の在来種だろう。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

そして最後はまさに10割!という田舎田舎したお蕎麦。
これも食べる前からそば粉を挽いている時に感じる独特の香ばしい香りがプンプンしていて、食べた時の甘みと舌に残る苦みが後引く美味しさ。これは永平寺町産の永平寺在来種に間違いない。

お寺で食事ができる蕎麦&Pasta和伊屋さんで、在来種を使った十割そばを食べ比べる利き蕎麦の会に参加しました。

以上、4種類を食べ終わったんですが1番目と2番目が難しくて、そば粉屋の経験から僕の出した答えはこれでした。
①キタワセ種
②今立在来種
③丸岡在来種
④永平寺在来種

最後に店主の宮川さんから正解発表。

【正解】
①今立在来種
②キタワセ種
③丸岡在来種
④永平寺在来種

今立とキタワセが逆でした(笑)

今回は使う品種はもちろん、そば粉の挽き方や製粉者がバラバラだったので判断基準が難しく苦戦しました。
そば粉は同じ在来種を使っても挽き方や仕上げの仕方によって味わいが全く異なります。そういう意味では同じ石臼で同じような条件でそれぞれ挽き比べないと分かりにくいところがあったのかもしれませんが、それでも分かる丸岡町産と永平寺町産の在来種は個性的なんだなとその品質に脱帽でした。

また、ソバに限らずすべての穀物、野菜は土壌と気候によって品質が変わるといいますが、今回のキタワセ種の味わいは正にその通りだったと感じています。キタワセ種は主に北海道で栽培されています。福井のそばに比べ味も香りも弱いのでつい一番香りと味の弱かったものをキタワセとしましたが、福井の土壌と福井の気候で育てると淡白なキタワセも十分旨みののった味に変化する。やはり、土と気候と水は作物にとって要なんだと改めて福井の恵みのありがたさを感じました。

次回、第七回 利き蕎麦の会は、9/4(水)19:00~東京浅草橋の御清水庵宮川さんに会場を移して行われます。
県内外の蕎麦を食べ比べることっはあっても在来種を利き比べるなんてことはなかなかできません。ぜひ、この機会に味わって楽しんでください。蕎麦の味って色々あるんだってことを分かっていただけると思います。

御清水庵宮川の宮川さん、塩田さん、和伊屋の山﨑さん
この度は楽しい会を本当にありがとうございました!

[8月19日(月)]
玄そば産地:福井県大野市産(完熟そば)、永平寺町産(完熟そば)
天気:晴れ
石臼工場内室温:25℃
石臼工場内湿度:65%
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■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生

■越前そば粉屋おかみのブログは、石臼で挽く越前蕎麦が大好きなおかみ

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加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
カテゴリー: 蕎麦・うどんの食べ歩き タグ: パーマリンク