そば粉の挽きの難しさは、玄そばや産地に合わせて石臼や回転数を変える必要があるから

おはようございます!

寝間着が1枚・・そして1枚・・と増えて今僕は3枚着て冬布団にくるまって寝ています。
深夜3時頃に気温がキュッと下がるのですが、この時に寒さで目が開いてしまうんですよね。
今が一番過ごしやすいんですけど、冬が刻一刻と近づいてくる感じが憂鬱です・・。

さて、先日のお話。
得意先のお蕎麦屋さんからそば粉に関してお電話をいただきました。

「いつもより色が黒くあたる」と。

こちらのお店は、「色がやや白めで、適度なホシ(蕎麦に浮かぶ点々)があって、のど越し良いそば粉」をお求めで、このお店だけの挽き方で産地も1種類に限って独自のそば粉をお届けしているのですが、どうも塩梅が良くないとのお話でした。

そばを製粉する難しさは、全く同じ石臼で、同じ回転数、同じ量を挽いてもいつも同じそば粉が挽けないことです。
それはソバの産地や玄そばの大きさ、その日の天候によって石臼の状態が微妙に変わり、仕上がるそば粉の状態が変化してしまうからなんですけど、例えば、午前中は上手く挽いていたにもかかわらず午後になった途端に挽かなくなってしまうこともよくあります。

そば粉の挽きの難しさは、玄そばや産地に合わせて石臼や回転数を変える必要があるから

そんなことを石臼とソバと気温と湿度を見ながら、毎日の変化に合わせて挽き臼を変えたり、使用する玄そばを選んだりしながらできるだけ一定のそば粉が挽けるよう日々石臼と向き合っているので、毎日、いろんなそば粉に出会えます。
どういう条件の時にどんなそば粉ができて、どんな条件を加えればどう仕上がるかというのも日々見ていると、今回のようにいつもと違う仕上がりになった時に原因がどこにあったのかを感覚的に想像しながら、スタッフで意見交換して納得できるまで原因を確かめます。

今回の問題点は玄そばの粒の大きさとホシの加減でした。
現在使用している福井県南部の玄そばは、もともと小粒な福井県産玄そばの中でも特に実が細かいため、色の白い1番粉(更科粉)の部分の割合が少なく、色が濃くなる2番粉から3番粉にかけての部分が多く挽けてしまうので、味わいは濃くなる変わりに色が黒っぽくなる傾向がありました。

それに加えてホシを浮かばせることに意識がいっていたため、いつもより黒っぽく仕上がってしまいました。
お得意様には問題点をお伝えし、ご納得いただけました。

何か問題があった場合に、何もお伝えいただけないまま離れていってしまう方が多い中、このように問題があった時にすぐにご連絡いただくお客様をこれからも大切にしたいと改めて思いました。
今回も大変、いい勉強をさせていただきました。ありがとうございます。

[10月19日(水)]
玄そば産地:福井市南部産
天気:晴れ
石臼工場内室温:16℃
石臼工場内湿度:54%
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福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝

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■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生

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加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
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