越前市(旧武生市)産玄そば 入荷

今庄宿から北国街道を北上、南条を過ぎると武生(現越前市)です。武生は越の国の国府が置かれ人々で賑わった寺社仏閣の多い町で、武生は万葉集にもゆかりがあり(味真野地区)、紫式部が若い頃に過ごした場所としても有名です。また、福井県が誇る健康食「越前おろしそば」の発祥の地でもあります。

そばは今でこそ麺状のものがほとんどですが、昔はそば粉を練ったものや団子などが主流でした。麺として登場するのは江戸時代頃で、客人をもてなす時などに「そばきり」(そばを切る)として出されていたと言われています。

越前の国府のあった武生(当時は府中)に、領主として赴任してきた本多富正。彼は府中の町の整備や地場産業である打刃物の発展に尽力しました。

その中でも荒れ地でも育つそばの栽培に力を入れたと言います。その背景には、富正自身もそばを好み、赴任時にそば師、金子権左エ門という人物を同行させていたという事実もあります。そして富正が食べていたそばこそが、大根おろしをかけた現在のおろしそばだったようです。

それ以来、府中で、そして福井全体におろしそばが広く食べられるようになったと伝えられています。

さらに現在の「越前おろしそば」という名前が全国に広まったのは昭和22年以降のことです。昭和22年10月、昭和天皇が福井に来られた際、武生市(現越前市)でおろしそばを召し上がられました。その後、皇居に戻られておろしそばのことを懐かしがられ「あの越前のそば」とおっしゃられたことに由来するといわれています。

越前市をはじめ、福井県全域は美味しい湧き水が多いのが特徴です。中でも1400年前もの伝説が残る解雷ヶ清水(けらがしょうず/越前市千合谷町)は、干ばつでも決して枯れない霊水として知られています。

越前市で収穫される農作物は越前市で消費するという地産池消政策のもと、過去に玄そばが入荷したことがなく、我々も初めての試みなので非常に楽しみです。

【福井県越前市産<完熟>そば】ただいま、玄そばを磨いてきれいにしております。販売開始までもうしばらくお待ちください。

販売開始と同時に【坂井市丸岡町産<完熟>そば】の販売は終了いたします。

お求めの方はお急ぎください。

加賀 健太郎 について

年間100店以上の蕎麦店を食べ歩き/蕎麦を食べてソバの挽き方を考える/ミシュラン星付き店へのそば粉納品事例多数/自社で開発した福井県産そばのガレット粉を本場フランス・ブルターニュでプレゼン/出張先では「体のどこを切っても蕎麦が出てくる」くらい蕎麦を食べ歩く ■ブログ→ http://kaga-seifun.com/sobako/
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