奥越前の勝山市は県内でも有数の豪雪地帯であり、米をはじめ在来そばの産地でもあります。酒どころとしても有名で豊富な地下水と厳しい寒さの中で仕込まれる勝山の名酒「一本義」の新酒まつりには毎年、県内外から多くの酒好きが新酒を求めてやってきます。
また、今や福井を代表する観光地となった恐竜博物館もこの地にあり、季節を問わず多くの恐竜好きが集まってきます。
そんな勝山市では、雪を利用した「雪室」で勝山市の食をより豊かにする取り組みが行われており、今回、その雪室を特別に見せていただきました。
雪室とは・・
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雪の力で冷やした天然の冷蔵庫で食品を保存する雪国古来の知恵。
室内は温度0℃・湿度90%以上の一定した環境で、電気振動がなく光や乾燥による食品への影響が少ないため、鮮度を保ち美味しさを向上させることができます。
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米を低温保管するための倉庫を雪室として利用し、冬の間に倉庫が満タンになるほど新雪を入れるそうですが、昨年冬は暖冬で勝山市内にはほとんど雪が降らなかったため、山に登ってかき集めてきたそうです。
外は35℃を超える猛暑でしたが、雪室の中の気温は2℃前後と体が縮こまるような寒さ。
雪室を見たのは人生で2度目で、初めて見たのは新潟にあるワイン醸造所でした。そこでは地下にあるワイン蔵に雪室の冷気を送り込んで低温熟成させていたのですが、5℃以下の低温で湿度90%以上に保たれているとワインにとっていい効果が得られると言っていました。
雪室の中では、ソバ、味噌、大根、日本酒、発酵食品などいろいろなものが熟成されていました。大根は甘みが強くなり、日本酒はまろやかな仕上がりになるそうです。そばは新そばの風味や鮮度が長持ちし、そばの味が最も劣るとされる夏に鮮度の高い蕎麦が提供できると地元のそば店では好評だそうです。
雪室そばは期間限定にはなりますが、勝山市内の限られたそば店にて味わうことができます。ご興味のある方はぜひ、ご賞味ください。
▼雪室で寝かせた蕎麦「雪室そば」をぜひとも、ご賞味ください。
https://www.city.katsuyama.fukui.jp/soshiki/11/886.html
▼詳しくは勝山市ホームページ
大地の恵み「雪」を活用した新たな魅力「奥越前かつやま雪室」