こんにちは!
今朝はすごく気持ち良かったんですが、お昼になると一気に気温が上がって蒸し暑くなりました。
最近、涼しい夜が続いているんで、今晩も清々しく眠りにつきたいです。
「蕎麦は奥深い・・」
蕎麦に触れたことがある方なら、一度は耳にしたことが言葉でしょ?
そば打ちは、ハマればハマるほどその魅力に取り付かれます。
毎回、同じ蕎麦にならない難しさ、いつも違う表情を見せてくれる面白さ、自分の納得がいく蕎麦に打ち上がった時の感動、仲間や家族とワイワイできる楽しさなど、たくさんの”楽しみ”を与えてくれます。
でも、蕎麦の奥深さは蕎麦を打つことだけじゃなくて、そば粉を挽く作業も奥深いんですよ。
だからこそ、そこには難しさや楽しさ、感動があります。
そば粉の製粉方法は、上下の石臼を擂り合わせて製粉する”石臼挽き”、2つの回転するローラーで一気に製粉する”ロール(機械)挽き”、丸太を上下させてたたき潰す”胴挽き”があります。
弊社は石臼挽きを専門でそば粉を挽いていますが、石臼って見た目はさほど変わらないように見えますけど、職人さんが一つ一つ手作りした石臼は同じ石材でも一つとして同じものはありません。
弊社に26台回っている石臼と、今も寝かせてある石臼はすべて僕の祖父の代までに生きていた石工さんが一つ一つ専用の道具で叩いて作ったもの。
量産型の石臼は、石を型でくり抜いて簡易的に仕立てるので時間も労力も手作業に比べて圧倒的に効率よくできていて、大きさ・重さ・形・目など、どの石臼もほとんど同じ表情で比較的同じような粉を挽くようなものになってますが、手作りの石臼はそう簡単に粉が挽けるところまでいきません。
何百何千キロとある大きな大きな石を杭とハンマーで割って石臼大の大きさにしたら、タタキやちょうなで叩きながら何時間と手間をかけて円形に成形していきます。
根気がいるのはここからで、石臼に目を掘っていく工程。の前に、擂り合わせの工程があります。
上下石臼の外側から3センチのところの間に余分な隙間が無く、ぴったり合わさるように擂り合わせておかないと浮いた状態ではきれいな粉になりません。何度も重ねては外して高いところを叩き、重ねては外してまた叩きながら徐々に擂り合わせていく。上下石臼のペアはこの擂り合わせで決まるので、違う石臼同士を合わせても噛み合ず、やはりきれいなそば粉は挽きません。
「摺り合わせ」が石臼づくりの肝です。
弊社の石臼をよく見ると、歪んだ円軽になっているもの、上下石臼の高さが異なるものなどいろんなペアがあります。
職人さんの癖や石の材質、断層の入り方、円の形など、一つ一つが微妙な差になり、それらがそば粉を挽いた時に唯一無二の独特の仕上がりと味わいを引き出します。
楕円の石臼は、回転しながら切るようにそば粉挽く効果に加えて、粘りを生む効果も生まれます。もちろん、その日の天気や湿度、玄そばにもよりますが、26台の石臼はそれぞれがそれぞれのそば粉を挽きます。玄そばも石臼も生き物ですので、毎日、同じそば粉にはなりません。そこがまた難しくもあり、楽しいところです。
今、動いている石臼を作った石工さんとお話しすることはできないので、僕は昔の石臼の目から目立てを学んでいます。
見て、触って、考えて、やってみる。無言の対話です。
どこの世界でも昔の職人さんは凄いですよね。本当に素晴らしいです。
1組1組の石臼が先生のつもりで、これからも勉強して行きたいと思っています。
[7月24日(火)]
玄そば産地:福井県大野市産、丸岡町産、永平寺町産(完熟品)
天気:晴れ
石臼工場内室温:23℃
石臼工場内湿度:66%
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福井県産の石臼挽き越前蕎麦粉は、カガセイフン本社工場で製粉しています。
営業時間(月~金)8:30~18:00 休業日:土日祝
挽きたて越前そば粉の通販やお取り寄せは、オンラインショップの末吉の越前そば粉をご利用ください。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。
■越前そば粉屋5代目社長:加賀龍夫のブログは、蕎麦粉は人生。
■越前そば粉屋おかみのブログは、石臼で挽く越前蕎麦が大好きなおかみ。
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